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社員教育活動

同友会の社員教育の理念は、企業の内外に「共に育ち合う⼟壌をつくる」ところにあります。 同友会の教育活動が「共育」運動ともいわれるゆえんです。さらに企業にとって「すぐ役立つ人材」ではなく、 「豊かな人間性に裏打ちされた知識と感性の持ち主で健康な人」の育成を目指しています。地域社会から信頼される企業、 信頼さ れる経営者と従業員の集団にしていきたいと考えています。

北海道同友会における
社員教育の歴史

北海道同友会は1969年11月22日に札幌、小樽、函館の経営者が中心となり発足しました。

北海道同友会では大企業の青田買いが展開され、「若者が来てくれない、定着しない、育たない」という会員各社が共通して抱える深刻な悩みをどう解決するかを論議し 、①中小企業の社会的な信用力を高めるた めに、企業の経営体質を自力で強化する、②社員の誇りとやる気を引き出すために労使が共に学びあう姿勢で 「共育」活動を推進する、③上記の成果を示し中小企業の持つ可能性を学校や保護者に訴えていく、この3つを同時に推進することがカギであることを確認しました。 こうした問題意識から、共同求人と社員教育の活動が一体に構想されました。1970年に「上級幹部教室」を始めたのを皮切りに幹部研修、 社員マナー研修、営業社員研修などお互いに勉強しあう形で教室を始めました。現在でもカリキュラムなどは系統的になりましたが、基本的な姿勢は変わらず続いています

社員教育の理念

同友会の社員教育の理念は企業の内外に「共に育ち合う土壌をつくる」ところにあります。中小企業は地域の人々に支えられながら地域の人びとの暮しを支えています。 地域社会から信頼される企業に、信頼される経営者と従業員に、そういう関係をつくり上げて行きたいというのが同友会の願いです。 同友会における社員教育は、たとえ技術・技能・マナーの教育であっても一貫して次のことを追求しています。

  1. お互いに現代に生きる人間としてどう生きたらよいのか。
  2. 現在の内外情勢はどのように変化しようとしているのか、何故なのか、どうすれば多くの人びとが望む方向に変えることが出来るのか。
  3. 中小企業の地域社会に果している役割をしっかりと認識する。
  4. 働くことと、生き甲斐との関係をつかんで、働きながら学ぶことの意味を知る。
  5. 経営者と従業員が共に学び合いながら、高次元での労使の信頼関係・団結を確立する。

そのためにカリキュラム、講師陣、運営について『同友会らしい責任』をもつ必要があります。 当然ながら講師、受講者が、自主的民主的に参加し、共に成果を会内にひろめるように心掛けることも大切です。

同友会が求める人材像

企業が求めている人材とは何か?企業人としての手腕力量が問われる前に、人間として社会的に信頼される人物であることが大切です。 同友会運動の検証を経て、私たちが考える望ましい人間像の5つの条件をあげてみました。

第1. 周囲から信頼され、他人に思いやりがあり、リーダーシップがとれる人。

第2. 仕事と人生との関わりをしっかりと自覚し仕事の中によろこびや生きがいを見出すことができる人。

第3. 物事を大局的な立場で本質的に判断でき、自主的・創造的に対応できる人。

第4. 心身ともに健康で、私生活を自ら律していける人。

第5. 人との触れ合いを大切にし、積極的な謙虚さをもってたえず成長をとげていく人。

すべてを言いつくしたとは思われませんが、要約すると、「豊かな人間性に裏打ちされた知識と感性の持主で健康な人」ということになり、現代に生きる人間像ともいえるものです。 修羅場をくぐり抜けるような厳しい経営環境の下では、あれこれの手法の前に「まず人間であることの大切さを再確認したものです。

全道社員研修プログラム

全道共育委員会では、社内に教育理念を持ち、系統的な研修プログラムを作成することを提唱しています。 しかし残念ながら、目の前の仕事に追われて社員教育まで手が回らない企業も多くあります。 そこで、会員企業の階層別の系統的な社員研修を支援することを目的に全道社員研修プログラム(年間10回)を2020年に作成しました。 現在では毎回50名を超える社員が参加しています。

研修プログラムの特色

  1. 報告者が一番に勉強になることから、研修会の報告は経営者もしくは先輩社員が務めます。
  2. 報告者は事務局やサポーターとなる経営者との打ち合わせを経て自分の仕事の内容を振り返り報告内容をブラッシュアップします。(2カ月間程度)
  3. 必ずグループ討論を行い、サポーター(司会兼助言者)は会員経営者、経営幹部が務め他社の社員であっても人材育成が地域の力になるとのとの視点から協力いただいています。
  4. 受講生に提出いただく、レポートには経営者又は上司の確認印をもらうことを義務付け、社内で学んだことを共有する仕組みにしています。
  5. 年間の研修プログラムには入っていませんが、2024年で73期を迎えた同友会大学は2700名あまりの卒業生を出しています。 30回毎週講義を受け、5回のレポート、卒論を提出す学びの多いカリキュラムとなっています。
全道各支部での社員教育活動

各支部では共育委員会が支部の社員教育活動を担っています。 支部の会員数によって研修会の内容や回数に違いがあることから、全道社員研修プログラムと相乗効果を見据えて地元会員の要望に応えて開催しています。

教育活動一覧

  • 新⼊社員研修会(4⽉)

    社会⼈1年⽬の新⼊社員を対象に、働くことの意義、マナー等の講習を⾏います。

  • 中堅社員・幹部社員向け研修会

    ⼊社から数年が経過した社員を対象に、企業の主⼒として今後求められる姿勢などを学びます。

  • 新⼊社員フォローアップ研修会

    ⼊社数カ⽉が経過した新⼊社員を対象にしたフォローアップ研修。

  • 幹部⼤学(⽀部により名称に違いあり)

    幹部社員、幹部候補を対象にした、数カ⽉間の連続講座です。

  • 同友会大学(1月~7月)※30講

    先の見えない不況の中で、急速に変化し続ける情勢と課題を正確に認識し、対応する力が幹部に求められています。 同友会大学は、そのような課題に応えるため、これからの社会と経営の発展方向を洞察し、 「共育力」を養うことをめざして、約6カ月間、全30講のカリキュラムを学び合います。
    ※開催地は札幌

     
  • 経営者⼤学(10⽉〜12⽉)※10講

    「経営者こそ学ぶことの先頭に⽴とう」「⼀つの課題を系統的、本質的に追求する講座を設けてほしい」という要望にもとづいて1982年5⽉15⽇に開校した「経営者⼤学」は、「経済学」、「経営学」、「北海道論」、「教育論」、「法律論」の各コース(1コース10講)を開き、5コース修了して卒業となります。
    経営者⼤学では時代を担うリーダーに要求される、(1)時代を⾒通す科学的な⼤局観を養い、(2)あらゆる問題を解決するための基礎的な⼒をつけ、(3)組織指導⼒、教育⼒を⾼めることを⽬的に開かれるもので、道内外から⼀流の研究者を招き、格調⾼く、密度の濃い講義が⾏われています。

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