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北海道中小企業家同友会景況調査報告(2019年10~12月期)

景況感は大幅な悪化を示す

―懸念材料多く、次期も悪化見通し―

 

文責:大貝 健二

(北海学園大学 経済学部)

 

 北海道中小企業家同友会2019年第4期(10-12月)景況調査における業況判断DI(前年同期比)は、3.8からマイナス7.9へ、11.6ポイントの大幅な悪化となった。前回調査でプラスに転じたものの一転して水面下へ転落、4期連続の景況感の改善とはならなかった。

 


 

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 今期は、日銀短観や中同協DORにおいても、同様の景況感の悪化を示している。米中貿易戦争による影響、10月からの消費増税の影響、韓国からのインバウンド観光客の動向など、前回調査からの懸念材料が今期にも影響を及ぼしている。

 

 業種別にみると、全業種の業況判断DIで悪化を示した。とりわけ、製造業とサービス業で大幅な悪化となった。建設業は6.5ポイントの悪化(マイナス3.5→マイナス10.0)、製造業は14.1ポイントの大幅な悪化(マイナス10.0→マイナス24.1)、流通商業は7.7ポイントの悪化(6.4→マイナス1.3)、サービス業は25.5ポイントの大幅な悪化(27.92.4)で、サービス業以外の業種は軒並み水面下に、サービス業も大きく落ち込んだ。

 

 122日に行われた景況調査分析会議では、地域別に見たときに景況感の悪化が相対的に軽微な道央(札幌・小樽)と、悪化が著しい道東(帯広・釧路)、道南(函館・日胆)、道北(旭川・北見)というコントラストがみられたことに対して議論された。なかでも、道南地域では26.6ポイントもの大幅な悪化を示した(11.8→マイナス14.8)。道南地域で大幅な悪化となった要因として、第1に、室蘭、苫小牧などの本州企業と取引とある製造業が、米中貿易戦争に伴う需要低迷の影響を受けているのではないかということ、第2に、函館を中心に、観光客の減少が景況感に影響を与えているのではないか、といった意見が出された。そのほか、建設業での資材価格の高騰がみられることや着工数が前年度割れしていること、消費増税の駆け込み需要の反動が業種によっては少なからずあることなどが、10-12月期の動向として指摘された。

 

 次期見通しは、全体の業況判断DIではマイナス9.2と今期結果からさらに1.3ポイントの悪化である。業種別にみれば、製造業は大幅な改善の見通しではあるが、水面下での推移にとどまるほか、建設業、流通商業、サービス業では悪化見通しとなり、全産業が水面下へ沈み込む見通しである。これらのことからも次期の景況感の改善に向かう力は非常に弱いと考えられる。企業環境を取り巻く要因もこれまでの懸念材料はそのまま残ることに加え、緊迫した中東情勢の動向が直接的、間接的に景況感に影響を与える可能性も出てきた。また、業種や地域によっては、今冬の少ない積雪が、景況感の悪化につながることも考えられる。企業内部の問題においても、「人材不足が緊急の課題」、「人材不足による業務縮小」といった自由記述が目立つようにもなっている。2020年は庚子(かのえ・ね)であり、新しいことを始めるには最も適した年であると言われている。しかし、いつになく多くの懸念材料が揃い、難しい舵取りが求められるだろう。そのような中で、不安要因を払拭し、新たな道筋が見えてくるような中小企業経営、同友会運動の新たな展開を期待したい。

 


 

≪景況調査について≫

・景況調査は、回答者の意識・マインドを基に景気動向を分析する調査です。

・特に、同友会が実施する景況調査は、経営者の意識を反映するものであるため、景気動向がはっきりと表れやすいと言われています。

・景況動向、および「次期見通し」を自社の経営指針等の見直し等に活用してください。

≪DI値について≫

・DI値は、「良い」と回答した割合(%)から「悪い」と回答した割合(%)を引いた数値です。

・「良い」と回答した企業が多ければ多いほどDIは高水準で推移するが、その逆もしかり。

・景況調査では、(1)DI値の水準(プラスかマイナスか、また水準はどの程度か)(2)前回調査からの好転幅、悪化幅の大きさを主に見ていきます。

・DI値の変化幅について

①1ポイント以内の場合:「ほぼ横ばい」と表現します。

②1~5ポイントの場合:「やや」という言葉が、好転・悪化の前に付きます。

③10ポイント以上の場合:「大幅な」という言葉が、好転・悪化の前に付きます。