道内中小企業の賃金・諸手当・ 退職金・役員報酬の実態(2023年版)
2023年05月31日
<以下はポイントのみ掲載。調査資料の完全版はこちらからダウンロードしてください>
<ポイント> 1.賃上げ額は平均7,865円、中央値5,500円、アップ率は3.55% |
1. 2023年の初任給・賃上げの腹づもり
2023年の賃上げ・初任給の支給予定を聞くこの調査は、2月15日に会員企業(5,729社)にアンケートを送付し、3月10日までに回答のあった122社分についてまとめたものです。回答企業の平均資本金は2,376万円、平均従業員数は43.5人となっています(表1)。
サンプル数が少ないことを踏まえ、ひとつの目安としてご利用下さい。
※四捨五入の関係で合計が100%にならない箇所もあります
(1)賃上げ額は平均7,865円、アップ率3.55%、賃上げ額ゼロ企業は9.8%となる
有額回答企業の賃上げ予定額は、全道平均で7,865円(平均年齢42.7歳)、アップ率で3.55%となりました(表2)。
「賃上げ額ゼロ」と回答した企業は全道平均で9.8%、札幌市以外の地域が11.5%に対して札幌が6.8%となりました。「賃上げ有り」は全道で回答企業中の46.7%となりました。未定企業も53社(43.4%)あり決めかねている企業も多くなっています(図1)。
(2)賃上げの腹づもりでは、全道で「定期昇給の他ベースアップを予定」36.9%
2023年度の賃上げ(腹づもり)では、全道で「定期昇給の他、ベースアップを予定」36.9%、「ベースアップは行わず、定額昇給分のみにとどめたい」26.2%、「べースアップ、定額昇給ともに行わず、現状額を維持する」9.8%となりました(表3)。
(3)初任給は全道の大卒営業197,463円など全職種で前年を上回る
初任給は、微増ながらも高校、短大・専門学校、高専、大学の各学歴、職種でプラスとなりました(表4)。
大学卒は、札幌の営業職が203,159円(2,182円1.1%増)、技術職は200,358円(2,519円1.3%増)となりました。高校卒は、札幌市以外、札幌市とも全職種で165,000円以上となりました。地域的には札幌と札幌以外では3,000円~8,000円程度の差が生まれています。
初任給が上昇している背景には人手不足、採用難があります。当会調査では従業員の充足感は、充足している企業が18.4%(昨年比4.1%減)、不足している企業が55.3%(昨年比1.3ポイント増)、どちらともいえないが26.3%(昨年比5.9ポイント増)となり、経済活動の回復から従業員の不足感が増してきています(「2023採用意向調査アンケート 集計結果」https://hokkaido.doyu.jp/hiringintention2023/)。
2.2022年パートタイマーの職種別賃金(雇い入れ時の時間給)
パートタイマーの雇い入れ時の時給は、全道平均で販売以外は941円以上となり、札幌市の「その他」の職種では1,026円となりました(表5)。2022年の最低賃金(920円)は前年度から大きく上がった事から、『昇給あり』の回答は全道平均で42.3%となりました(表6)。
3. 定年制の実施状況
定年制は83.6%が制度を有しており、定年年齢の平均は全道平均で62.4歳です(表8)。70歳までの就業機会を努力義務とする『改正高年齢者雇用安定法』が2021年4月に施行されたことを踏まえ、70歳までの定年延長を考えている企業は全道平均で48.8%となりました。
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