道内中小企業の賃金・諸手当・ 退職金・役員報酬の実態(2021年版)
2021年04月23日
<以下はポイントのみ掲載。調査資料の完全版はこちらからダウンロードしてください>
1. 2021年の初任給・賃上げの腹づもり
2021年の賃上げ・初任給の支給予定を聞くこの調査は、2月15日に会員企業(5,806社)にアンケートを送付し、3月5日までに回答のあった272社分についてまとめたものです。回答企業の平均資本金は4,792万円、平均従業員数は39.6人となっています。(表1)
サンプル数が少なく、2021年度と2020年度の回答企業が異なることなどを踏まえ、ひとつの目安としてご利用下さい。
<ポイント> 1.賃上げ額は平均5,557円、アップ率は2.77% 2.初任給は学歴・地域別の全体で約33%の減となり、頭打ちの気配 |
(1)2021年賃上げ(定昇含む)平均額(予定)
有額回答企業の賃上げ予定額は、全道平均で5.557円(平均年齢40.9歳)、アップ率で2.77%となり、いずれも昨年(5,366円、2.67%)を上回りました。(表2)
「賃上げ額ゼロ」と回答した企業は17.3%で、札幌市以外の地域が18.7%に対して札幌市が13.5%となりました。「賃上げ有り」は札幌市以外で2020年の66.7%から21年は40.9%へ、札幌市も57.1%から39.2%と約20%減少しました。「未定」と回答した企業も全道で18.5%から42.3%となり、先行きに対する不安感が伺えます。
2021年度の賃上げ(腹づもり)の考えでは、企業規模で差が出ており、従業員数4名以下の約80%は「ベースアップ、定期昇給ともに行わず、現状額を維持する」「未定」となりました。(図3)
(2)2021年初任給平均額(予定)
全道平均の初任給は、大学卒の営業・事務、高専卒の全ての職種、高校卒の営業・技術・現業で若干のプラスとなりました。大学卒は、営業職が192,252円(2,700円1.4%増)、事務職は184,385円(342円0.2%増)となり、技術・現業職は190,809円(3,398円1.8%減)となりましたが、190,000円台を維持しました。高校卒は、札幌市以外の事務職を除き160,000円を超えました。(表3)
本調査では、2018年度~19年度には全ての地域、学歴、職種の初任給平均額が前年を上回っていました。しかし、20年度は札幌以外の2つの学歴・職種で、札幌市の3つの学歴・職種で前年度を下回り、21年度は全体の約33%で前年度を下回る結果となりました。コロナ禍の影響もあり、初任給の増額は頭打ちの気配です。
2.2021年パートタイマーの職種別賃金(雇い入れ時の時間給)
パートタイマーの雇い入れ時の時給は、全道平均で製造以外は900円以上となり、札幌市の「その他」の職種では1,000円を超えました。2020年の最低賃金(861円)が前年から据え置きになったこともあり、『昇給なし』の回答は全道平均で80.1%となりました。
3. 定年制の実施状況
定年制は81.6%が制度を有しており、定年年齢の平均は全道平均で62.4歳です。70歳までの就業機会を努力義務とする『改正高年齢者雇用安定法』が2021年4月に施行されたことを踏まえ、70歳までの定年延長を考えている企業は全道平均で48.8%となりました。
※詳細なデータは、完全版をダウンロードしてご覧ください。
《利用上の注意》
- この「年齢別平均賃金」は、それぞれの会社に実際に勤めている人を役付者と一般社員を区別せず「年齢別」にまとめ、「職種別」「学歴別」「業種別」に分けて集計したものです。
- この資料の「1ヵ月の所定内賃金」とは、残業手当・通勤手当を除き毎月支払われる給与を指し、「2020 年の年収」とは、残業手当を除く賃金、賞与などの1年間(2020年 1 月~12 月)の合計額です。端数処理の関係で所定内賃金の12ヶ月分と年間賞与の合計が年収と比べ、一致しない場合があります。
- 「–」はサンプルがなく、集計できなかった項目です。