北海道同友会結成総会　開会のことば（1969年11月22日）

開会のことば

三浦　隆雄
（札幌　㈱サンコー　社長)

　北海道中小企業家同友会結成総会に当り、議事の審議に先き立ち一言ご挨拶申上げたいと存じます。

　本日はご多用中の折札幌を始め遠くは函館、旭川、小樽から夫々の地で事業をなさっている方々が、ご参加下さいまして私、準備会の一員として誠に心強く存じて居ります。又、本日の結成総会にはわざわざ東京から東京同友会田山副理事長、大阪から樋口代表幹事代行名古屋から石井代表理事、今井常任理事さんがこの総会をお祝してご出席頂いております。この席を借りて厚く御礼申し上げたいと存じます。と同時に本日の結成総会を成功させ、これから益々会を発展させねばならない責任を痛感する次第でございます。

　本日総会を開くに至るまでの経過或はこれからの会運営方針等につきましては議事の中に折り込まれて後程報告やご審議を頂かねばなりませんので、それ等にゆづる事と致しまして、私は皆様ご承知の通り、去る11月17日の中小企業家同友会全国協議会結成総会に、オブザーバーとして参加させて頂いた折の感想を申し上げてご挨拶にかえたいと存じます。

　総会は周到な準備の元で開かれ熱心な討議の結果、成功裏に終了したわけでございますが、私が特に感じたことは、この度全国協議会の議長に推された東京の田中理事長のお言葉でございました。田中理事長が申されますには、友達が辞めて行った今でも私が昭和32年以来　会を離れないのは、会員が自分の経営に熱心であるばかりでなく、真面目で献身的な人が多いこと、私はその人達が好きでならない。会に加入している経営者は、話のわかる男だと云うことで労使関係も実にスムースに行き易い、然し会に対してむなしい思いをしたときもある。それは私共の正しい考え方、主張が中々に通らないと云うこと、それで会を辞めようかと考えた事もある。然し辞めて事態が良くなるものではない。北は北海道南は九州日本全国に同友会の組織を作り、手を握って力を合わせること、これが私の使命でもあり、私は最後までそんなつもりで頑張りたい。お話の内容は大体こういうことであったと思います。実に会員を信頼し会を愛している実感のこもったお言葉でした。私は自分自身の心情に照しまして恥しくもあり、又ほんとうに頼もしくも感じ私も皆さんの仲間として、是非一緒にこうやって行きたいと感じ入った次第であります。

　本日はどうか、最後まで充分ご審議を頂きまして、立派な同友会を作り、そして育て上げて行く道をあきらかにして頂きたいと存じます。

　以上をもちまして甚だ簡単ではありますが開会のご挨拶といたします。

※文面は当時のまま掲載しております。