【71号】支部長が語る新年の抱負
2023年01月26日
学びと実践で危機を乗り越える
札幌支部 支部長
横山製粉㈱ 代表取締役 横山 敏章
収束がみえない新型コロナウイルス感染拡大に加え、ロシアのウクライナ侵攻という多くの人命を奪う悲惨な戦争が始まり、資源を輸入に頼る我が国は、物価の高騰という形で大きな影響を受けています。私たち中小企業は、これまでに経験したことのない難局を乗り越えなければならず、経営者の資質の向上がもっとも重要な局面あり、私たちが大きく成長しなければならない時でもあると感じています。
昨年は、そのような背景を考慮しながら、「人を生かす経営」の実践で未来に向かって変化に強いしなやかな企業づくりをテーマとして、地区会、委員会、部会それぞれの活動を組み立ててまいりました。そして昨年のメイン行事でありました、第37回全道経営者〝共育〟研究集会with全道青年部・後継者部会交流会in札幌は、「SAPPORO INNOVATION激動の中を仲間と共に」というテーマのもと、19の分科会とコンサドーレの三上GMによる記念講演を行いました。新たな価値の創造と、より強靭な企業づくりにむけた多くの気づきと学びを得、会員の絆をさらに深める機会になりました。また、新型コロナ感染対策を施しながらの運営は、新しい取り組みにチャレンジできた革新のひとつだと感じています。
今年も環境の変化を注視しながら、会員の皆様にとってより充実した活動ができるように努めてまいります。また、ともに学び、成長していく仲間の拡大についても重要な課題として取り組んでまいります。
会員皆で協力し、挑戦していこう!
しりべし・小樽支部 支部長
㈱小樽海洋水産 代表取締役 松田 亙
新しい年を迎え新型コロナウイルス感染症との決別を図りつつ、支部会員全員と共に同友会活動を着実に進めて行こうと考えます。
今、私たちを取り巻く社会環境は原材料費・資材費・光熱費・人件費の高騰・為替変動によるリスク等の要因により、多くの中小企業が存続の危機に直面しています。私たち経営者は、社員と共に自社の存在意義を問い直し、事業の内容を総点検するチャンスです。今こそ全社員の力を結集し、盤石な企業体質をめざし、地域が輝き続ける一年にしていきたいと思います。
重ねて、先が見えない時代だからこそ同友会を大いに活用し、労使見解の「経営者の責任」をより一層自覚し、社員をパートナーとして全社一丸体制で自社を存続・発展させることにより、少しでも豊かな地域社会を私たちの手で守っていきたいと考えます。
まずは新型コロナ感染拡大で3年間にわたり様々な面で支部活動が大きなダメージを受けたことを顧み、一歩一歩活動の輪を広げてまいります。
また、今年8月には支部設立50周年の節目がやってまいります。先人経営者の熱い気概、心意気を胸に、支部全員でお祝いし、100年に向けての新たなスタートを切る所存です。
最後に「先が見えない時代だからこそ共に学び、共に語り、共に挑戦しよう」を掲げ、よい会社・よい経営者・よい経営環境をめざして会員みんなで活動してまいります。
未来を語り合える支部をめざす
南空知支部 支部長
森井農園 代表 森井 克幸
2022年度は、①小規模支部のメリットを生かし会員同士の交流を深める②中長期的な視点を持ち、地域に根ざした同友会活動を実践する③若手経営者向けの企画や会員企業を巻き込んだ活動の実施④オンラインを活用し、他支部との交流及び連携を強化する―という「南空知モデル」の活動を掲げました。
7月例会では、とかち支部の満寿屋商店の杉山雅則社長に地域資源を活かした企業経営の実践報告をしていただきました。ここ数年で最多となる72名が会場に集まり、持続可能な企業づくり・地域づくりについて考える機会になりました。
8月下旬にはコロナ禍で開催できなかった移動例会を3年ぶりに実施しました。満寿屋商店をはじめとする、とかち支部エリアの地域資源を活用した事業の現場から多くの気付きを得ることができました。
また、今年度から始まった隣接する道北あさひかわ支部・空知中央西地区会の皆様との交流も進んでいます。旧産炭地を含む当支部エリアでは、人口減少に伴う市場の縮小や人材不足、後継者問題など経営課題が山積しています。このような厳しい状況だからこそ、昨年の活動の成果をより進化・深化させ、支部全員が達成感を感じ、「希望の光」を見出すことができる1年にしていきたいと思います。
「持続可能な企業づくり」を通じて「持続可能な地域づくり」を実現する。南空知エリアの未来を語り合える支部にしていきたいと思います。
経営環境の変化を自社変革の好機に
とかち支部 支部長
㈱クナウパブリッシング 代表取締役社長 高原 淳
2022年度とかち支部は「『共助』の精神で地域企業が連携し、持続可能な十勝・北海道を築こう!」とのスローガンを掲げ、アフターコロナを見据えた活動を行ってきました。コロナに限らず、社会情勢、経営環境は激変しています。経営は変化対応業とも言われますが、目の前の変化に対応するばかりではなく、先見性を持って中長期的な視点から経営改善、業態変革に取り組んでいくことが求められています。
ここ数年、SDGsへの理解や各社の取り組みが急速に進んできました。また、日本はデジタル競争力ランキング29位(2022年)と後れを取っていることから、今後、企業規模の大小を問わず、デジタル化やDXへの対応を迫られることになるでしょう。すでに、これを好機と捉え、デジタルを活用し自社の変革に取り組む企業が増えつつあります。反対に、デジタルの時代だからこそ、アナログ的サービスに力を入れる企業もあることでしょう。
自社の理念やビジョンに基づいて、計画性やストーリー性のある企業経営を行うことができるかどうか。その意味でも、経営指針の成文化と見直しが重要であることは言うまでもありません。また、自社単独では経営課題を解決するには困難の多い時代です。同友会会員同士の共助、あるいは地域内の同業者・異業種との連携が欠かせません。イノベーションを生み出し、具体的成果を創り出すような支部活動をめざしていきましょう。
激変を乗り越える地域企業に
くしろ支部 支部長
長江建材㈱ 取締役会長 長江 勉
2022年度は「激変を乗り越える企業づくり、同友会づくりをすすめよう」をスローガンに掲げました。ここ数年は、もはや「激変」が珍しくない世の中になってきています。根釧地域の基幹産業においては、変化に柔軟に対応する新しい流れが生まれています。酪農・畜産業では、弟子屈町をモデル地区に和牛生産プロジェクトが発足。水産業では、根室市で国内初となるベニザケ養殖の事業化をめざした実証実験が進み、陸上養殖への可能性を模索しています。激変の時代の中ですが、各企業それぞれ挑戦を続けています。
支部では若手会員の活躍が目立ってきており、実践的なワークを盛り込むなど若い発想を生かした新しい学びが増えています。一方、同友会の原点とも言える会員訪問にも力を入れ、事務局員と会員の同行訪問では企業課題の実情をヒアリングし、会の活動に反映しています。
くしろ支部は各地区会の活動が活発です。地区会間の交流や学びの共有を進め、会員同士の絆をより強固にしていきたい。その中で新たな企業間連携の芽が生まれ、その輪が全道各支部に拡がっていくことを期待しています。
根釧では、2市7町で条例が制定されていますが、再始動に向けた機運が各地で高まっています。今こそ、持続性と独自性のある地域づくりが求められています。行政や各団体への提言は同友会の大きな役目です。会員各社が地域企業としての自覚を持ち、その役目を果たし、大きく前進する1年と致しましょう。
地域の特色を生かした活動を
オホーツク支部 支部長
ファイナンシャルプランナー事務所アップデート 代表 田村 友朗
昨年オホーツク支部では、コロナ禍の中、設立40周年を迎えることができました。記念講演には会員で同じく40周年を迎えた北一食品の前田康仁社長をお迎えし、創業時のご苦労と同友会とのかかわりについて語っていただきました。40周年事業にご協力、ご参加いただいた会員の皆さまに改めて感謝申し上げます。
また、激動する環境に対応する学びを模索しながら、会合数はすでに100回を超え、コロナ禍でも停滞することなく活発に活動しています。会員個々の企業の方向性やあり方については経営指針の研究、オホーツク全体の将来については自社にも寄り添う、オホーツクビジョンの普及に取り組み、しっかりと浸透しつつあります。
さて、オホーツクは第一次産業を通じて日本国民を支えている地域です。地域のすべての企業は直接、間接を問わず、この第一次産業に必ず関わっています。支部では、この豊富で極めて質のいい生産物に、より付加価値をつけるべく、日々学びチャレンジしています。おかげさまで、農業者、漁業者の新入会員も増えてまいりました。農業、漁業も親族承継にとどまらず、外部から大卒者、院卒者が第一次産業にかかわることを選択し始めました。大きな変化だと思います。
足元の環境にしっかりと気を配りながら、日本国内はもちろんのこと、世界に発信もできるオホーツク支部にどうぞご期待ください。
新たな時代、多様化な時代の活動を
道北あさひかわ支部 支部長
日新運輸㈱ 代表取締役社長 森 俊一
益々厳しさを増す経営環境において、その先に見えるわずかな光明を感じ取り、新たな時代へ向かう取り組みや挑戦で、日々奮闘されている中小企業経営者が多いことでしょう。2022年は、そんな試練の年だったと感じています。
昨年度は「共に学び、成長できる仲間を増やそう」「強靭な企業、活気ある地域づくりに全力を尽くそう」というスローガンを掲げ、会員企業の皆さんと共に、困難な状況下においても、同友会らしい学びと気付きが得られるようにと、多岐に渡る活動を続けて参りました。支部の歴史を紐解き、礎を築いていただいた先輩経営者の皆さんと、改めて共に成長できる仲間の大切さを知る例会や、中小企業だけにかかわらず、他方面から見た地域経済・地域コミュニティにも焦点を当てた例会などを行いました。また多様化する時代の中で、私たち中小企業が生き残るために、様々な要素を含んだ例会や取り組みが、これからも必要だと思います。
そんな思いの中で、全道経営者〝共育〟研究集会が今年、旭川で開催されます。道北あさひかわ支部は広域で、その広さは日本一であり、活動には物理的な制約が多くありましたが、オンラインが活用される時代となり会員の皆さんとの距離感は格段に縮まりました。より活動が活発になった道北地域から発信する様々な分科会、交流会、基調講演など、地域特性を生かした道北あさひかわ支部らしい道研を、どうぞご期待下さい。旭川でお待ちしております。
地域連携でよい会社づくりを推進
函館支部 支部長
カドウフーズ㈱ 代表取締役 嘉堂 聖也
昨今様々な外部要因で厳しい状況にある日本経済ではありますが、函館支部では地域の内部環境を整えながら、景気の活力を高める体制構築のため活動しています。
道南エリアは海あり山あり、気候も比較的安定、歴史的な価値も高く、北海道だけでなく日本や海外にも誇れる魅力ある地域です。ただ、課題は魅力を生かし切れていないことです。基幹産業の農水産業については収穫物の減少や転換、人手不足などにより1次産業・2次産業共に動きが鈍化。また観光業もインバウンドの減少などから苦戦を強いられており、地域経済において好循環が生まれていません。
そのような状況を踏まえ、函館支部では地域の活性化を行政からではなく、我々中小企業の側から実践していこうと活動を進めています。①農業や水産高等学校、大学との連携を強化②定期的な企業展の開催や会員報告を強化③外国人材、障がい者雇用、語学学校や支援学校などと連携し共生社会の基盤強化④海外進出も見据えた外部環境調査を強化⑤会員企業の学び以外におけるメリットの創造⑥経営指針や社員教育、健康経営で会社の方向性や社員定着に向けた会社の基盤づくりです。
このように、会内だけの学びにとどまらず、外部との学びと連携を強め活動していきます。今年はより会員が同友会活動に参加することで良い会社、良い経営者、良い経営環境ができたと実感できる実践を推進して参ります。
未来のために今 デキルこと
苫小牧支部 支部長
㈲志のぶ 代表取締役 髙橋 憲司
新型コロナウイルス感染症が未だ終息の見えない現在、ウクライナへの軍事侵攻が世界経済に様々な打撃を与え、加えて円安が進み中小企業にとってますます厳しい環境の中で、私たちは大きな選択を迫られてきているように思われます。
そのような中でも、昨年度の苫小牧支部では「自社と同友会のキヅナの深化」をめざし、11の専門委員会・部会が活発に開催され、会勢は270名と過去最高となりました。しかし、2023年以降のアフターコロナ期では、これまで以上に世界規模での経済環境や社会の流れに敏感に対応していく力が必要になると思います。
円安や物価高でもパートナーたる社員の賃金を上げていくには、経営者にとって必要な情報を見極め、時代に合ったツールとスキルを学び、働きがいがある理想的な企業になるための魅力と生産性の向上に力を入れていかなければいけません。
さらに、同友会活動において事務局との共同体制で同友会運動を学び、会員の潜在的なニーズに応え、企業の抱える切実な課題を解決するために常にワクワクドキドキするような事業企画を立て、実践していく必要があると考えます。
魅力的な苫小牧支部をつくることが、魅力的な企業と地域を創ることに必ず寄与していくものと思います。「雲外蒼天」と言うように、困難を努力して乗り越えた先には、明るい未来が待っていると信じて本年も邁進していく所存です。
チャンスへの入り口は一つじゃない
西胆振支部 支部長
須藤建設㈱ 代表取締役社長 須藤 正之
同友会の活動には支部のエリアでの活動、エリアを超えた活動があります。西胆振支部の会員にはこれらを使い分け、同友会という組織を有効に活用していただけるような支部活動を行うことが私たち経営者にとっても、同友会にとっても重要だと考えます。
西胆振支部は4つの地区・部会により例会を企画運営しています。会員が求める例会の開催、例会内容の共有、会員とのコミュニケーションを確実に重ねていくこと。そして他支部の例会情報の提供により、それぞれの経営者が必要な情報を得る機会の提供につながり、例会に参加できなくても同友会を活用できる環境にしたいと思います。同友会の活動はどんな時代でも、どんな状況でも企業が経営を続ける限り変わらないものだと思います。
一企業が必要だと感じている情報や事例、課題を解決できる選択肢、新たな可能性を開拓するチャンスは全道や全国の同友会ネットワークの中で埋もれているのが現状で、活用できていない経営者が多くいると思います。ということは、活用する経営者が増えることでさらなるビジネスチャンス、課題解決のための様々な情報が得られます。それにより同友会の存在意義が高まっていき、会員拡大につながると考えます。
同友会活動を継続し続ける中の一年として、しっかり活動していきます。