011-702-3411

営業時間:月~金 9:00~18:00

同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【67号】2019年 支部長が語る新年の抱負

2019年01月01日

北海道同友会の新たな元年を迎えて


札幌支部 支部長
㈱宇佐美商会 代表取締役 宇佐美 隆


 昨年11月2日に開催された支部例会の基調講演に、ジャーナリストの清丸惠三郎氏をお招きしました。プレジデント誌に中小企業家同友会特集を執筆されている方です。


 講演の中で清丸氏から、「これまでの同友会が培ってきた理念や社員を大切にするところは、これからも必要なこととして残していくべきだが、同友会が誕生した当初に存在しなかった中小企業を取り巻く新しいパラダイムについては、同友会設立時のように、もっと積極的に議論していく場を設けていくべき」という問題提起をいただきました。


 2019年、北海道同友会は創立50周年を迎えます。それは、これから100周年を目指す第一歩の年でもあります。


 札幌支部としても、今一度足元を見直し、今後の活動がこれからの各会員企業の成長に寄与していくために何が必要とされるのかを、様々な機会を通じて確認・議論を重ねていく1年としてまいります。


 私たちを取り巻く経営環境は、年を追うごとに目まぐるしい変化を遂げています。このような環境下で私たちが常に意識すべき心構えは『状況に「反応」するのではなく、状況に「対応」する』ことであると考えます。「反応」では過去に対しての受け身の行動となりますので、常に後手を踏んでしまいます。「対応」は未来に対しての能動的な行動であり、主体性を求められます。


 それは、企業経営ばかりではなく同友会の運動や活動にも当てはまるのではないでしょうか。


 先人からの貴重な見識を十分に踏まえ、皆さんと共に新たな発展の枠組みを大いに議論し、次の北海道同友会100周年に向けたスタートの年にしていきたいと思います。

 



50年の歩みを、次代につなげよう


しりべし・小樽支部 支部長
㈱樽石 代表取締役社長 上参郷 光祐


 2018年7月3日、小樽市中小企業振興基本条例が施行されました。しりべし・小樽支部管内では、2012年6月に倶知安町で制定されて以来2自治体目、真狩村と島牧村の小規模企業振興基本条例を合わせると、条例制定市町村数は4治体となりました。早速、支部の11月例会では、小樽市の条例制定と倶知安町の制定後の取り組みを学びました。条例を活かし、他のまちにも制定運動を広げていく機運が高まっています。


 2018年は、9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震によって多くの尊い人命が失われ、全道域でのブラックアウトにより全道民が被災する未曽有の惨事に見舞われた年でした。後志地域でも、丸2日間電気が回復しなかったところも多く、その影響は今なお続いています。


 この惨事は一方で、地域における中小企業の役割を問い直すものとなりました。近隣住民のために炊き出しを行う、社員がお客様に電話をかけ続けた、足止めされた観光客のためにお店を開けた等々、非常事態の中、地域の企業ならではの取り組みを数多く聞きました。私たち中小企業はどうあるべきか、何ができるのか。名実ともに地域を支える企業になるためには、経営者と社員、会員同士が共に学び、共に育つことを地道に取り組む以外にはありません。


 今年、北海道同友会は創立50周年を迎えます。明日の経営に役立つ会にしていこうと同友会を立ち上げられた先人の思いに感謝し、改めて原点を学びながら次代につながる企業づくり、地域づくり、同友会づくりを進める年にしてまいりましょう。

 



学びの輪を地域に広げる


南空知支部 支部長
㈱平塚建具製作所 代表取締役 平塚 勝也


 9月6日の北海道胆振東部地震で被災された皆様におかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。南空知支部においても、地震そのものによる被害は比較的小さかった反面、その後の長時間にわたる停電、また地震の前に発生した大型台風により、会員企業の事業活動に大きな悪影響がございました。自然の大きな力には抗いきれないと感じる一方で、このような時こそ、同友会での学びあい、援けあいをいかに実践してきたかが問われるのだと思います。


 2018年度は、総会においてイベント21の中野愛一郎社長(奈良同友会)にお越しいただき、自社経営と同友会活動が密接に絡み合い、発展する同社の取り組みを学びました。またとかちで開催された「道研」に過去最多の14名が参加。一同大いに刺激を受けて帰ってまいりました。2日後には支部で道研の報告会を開催し、分科会での学びを共有しあいました。


 守・藤井両代表理事にもお越しいただき、支部役員との懇談を通じて、同友会が地域に存在し活動することの意味を改めて考える機会となりました。守代表理事は「経営者をただ同友会に誘うのではなく、一緒に地域の課題に取り組んでいこうと呼びかけることが大事だ」とおっしゃいました。また北海学園大学の大貝健二准教授が岩見沢で講演された際、「地域のことは誰もやってくれない。皆さん自身がやらなくては」とエールをいただきました。2019年も、地道・実直な学びを続けて自社の経営に向き合い、学びの輪を地域に広げていけるよう、活動に邁進してまいります。

 



自主自立の気概で循環型経済を


とかち支部 支部長
㈱まつもと薬局 代表取締役 松本 健春

 

 昨年の10月19日、20日に「とかち道研」を開催し、全道から838名の方に参加していただきました。ありがとうございました。「十勝からの挑戦~北海道新モンロー主義(循環型経済)を目指して」をスローガンに掲げました。十勝に脈々と流れる自主自立の気概に触れていただき、北海道全域に循環型経済をつくるための問題提起をさせていただきました。


 オカモトの岡本謙一さんが記念講演に立ちました。氏は31歳の時に同友会に入会し、ガソリンスタンド1店から社業を伸ばし、今では年商1000億円、従業員数4000名の企業に育て上げました。「社員を信頼して仕事を任せること。仕事が上手くいった時の手柄はすべて社員に。失敗を経験することも組織には大事なこと」。同友会の大先輩からの箴言だと私は受け止めました。


 岡本さんは本社を十勝に置き、全道・全国・アジアに店舗を拡大しています。新卒採用のエントリーは4000名、採用試験を受けることができる学生は800名、そのうち80名が毎年入社しています。新入社員の退職も年間数名ほどしかなく、人材育成でも目覚ましい成果をあげています。岡本さんの実践はまさに「十勝からの挑戦」です。


 昨年は会員有志によって「とかち地域活性化支援機構」という団体ができました。十勝地域の発展のために、連携しながら活動していきたいと思います。また、とかち支部農業経営部会の設立30周年事業として、「全道農業関連部会交流会」を7月に帯広で開催します。全道、全国の会員の皆さんに再び十勝にお越しいただき、十勝農業の活力に触れていただきたいと思います。

 



魅力ある企業づくりで未来につなぐ


くしろ支部 支部長
長江建材㈱ 取締役会長 長江 勉


 昨年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震では、住民生活に大きな影響がありました。被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。根釧地域においても停電による2次被害で、酪農、水産、観光、商工業など、甚大な被害を受けました。また、道東地方は30年以内に大地震が起きると予測されています。今回の震災で、緊急時にすばやく対応できる会社づくりが急務であることを図らずも実感させられました。


 さて、釧路市では、昨年8月に釧路市ビジネスサポートセンターk-Bizが開設されました。これは静岡県富士市のf-Bizがモデルとなっており、センター長の小出宗昭氏と同友会の出会いがきっかけです。k-Bizの目的は起業及び中小企業支援です。特徴は、企業の強みを捉えた具体的な提案による売り上げ向上を図る仕組みです。政策委員会が釧路市中小企業基本条例に基づいた施策として模索していた形が9年越しで実現し、とてもうれしく思います。


 2019年は北海道同友会創立50周年の年。「人を生かす経営」をテーマにした冠企画の実施、共育・求人活動、経営指針の成文化と実践など、支部活動の充実を通じ、会員増強に一層の力を注ぎ、目標の720名会員をめざします。


 今年度は「原点回帰」をスローガンに謳いました。若者に選ばれる魅力ある企業づくりを通して、企業と地域を未来につなぐという思いです。そのために、経営理念を内外に打ち出し、社員と共に学び、共に育つ社風を築き上げることです。来期もこのスローガンを継続実践し、地域に広げる1年にしていきたいと思います。

 



会員相互の連帯を強める活動を展開


オホーツク支部 支部長
ファイナンシャルプランナー事務所アップデート 代表 田村 友朗


 2018年度は「地域内ネットワークを拡げ、時代を創る地域企業を目指そう」をスローガンに掲げ、行政機関や地元大学、地域の関係団体との連携活動が活発に行われました。また、政策委員会を中心に取り組んでいる「オホーツクビジョン」のプロジェクトが始動しました。企業はもちろん、自治体や地域住民が一体となり、地域経済の活性化につながると期待しています。


 2019年度は同友会活動を通して会員のさらなる「連帯」を強める活動を展開していきたいと考えています。オホーツクは農林水産業を基幹産業とする地域です。多くの中小企業が一次産業に関わる仕事を行い、地域経済を支えています。一方で、台風などの自然災害が起きると、一次産業のみならずそれを支える企業も損害を受けてしまいます。そのような企業を守るのも同友会の役割ではないでしょうか。


 同友会は経営に関するありとあらゆる課題に対して、会員の経営者や専門家に相談をしながら解決をめざすことができる会です。「あてにしあてにされる関係」を育くみ、会員相互の連帯意識が深まる仕組みづくりが必要だと私は考えます。そのためには、同友会理念に立ち返り、会員同士が本音で語り合える学びの場、社員と共に育ちあう場、会員企業の経営課題の解決に役立つ活動を充実させる必要があります。「人を生かす経営」、「経営指針」など、同友会の良さを知る例会づくりを心がけ、地域経済を牽引する団体となれるよう学びあいを進めていきます。


 今年、北海道同友会は50周年という大きな節目を迎えます。オホーツク支部でも会員を増やし、50年目を華々しく迎えたいと思います。

 



支部設立45年目の年、新たな一歩へ


道北あさひかわ支部 支部長
クローバーシステム㈱ 代表取締役 粟田 和成


 1974年7月30日に全道3番目の支部として設立した道北あさひかわ支部は、本年45周年を迎えます。設立から今日に至るまで、多くの会員の情熱と汗を積み重ね、日本一広域な面積の隅々まで同友会の輪は広がりました。


 私は1999年12月に同友会に入会しました。先日、2005年に発行された支部30周年記念誌を開いたところ、私のコメントがありました。そこには「いま思うと、もっと早く同友会に入ればよかった。第一線で活躍している元気のいい経営者の方たちと、もっと早く知り合っていれば、起業してからの5年間がもっと有効に、建設的に、前向きに、仕事ができたろうと感じている」と記されていました。


 我々中小企業経営者は、人口減少による市場縮小や採用難、後継者不在による事業承継問題、それに伴う働く場の減少など、自社と地域の多くの問題に向き合わなければなりません。同友会ではそうした問題解決のヒントが得られます。共同求人による採用活動、採用した社員と共に育ちあう共育活動、労務問題や事業承継問題など、企業経営に係るあらゆる活動がそろっています。そして元気がよく、地域を愛するすばらしい経営者と学び合いを通じて仲間になることができます。コメントには当時の私の感動が溢れていました。


 支部設立45周年の今年は、先人の歩みに感謝し、支部幹事を中心とした会員の皆さんと共に、北海道同友会創立50周年とも連動した積極的な学び合い活動を行います。そして、未加入の企業経営者にも活動への参画を呼びかけ、地域と人々を輝かせる次の一歩を踏み出して参りましょう。

 



人間らしく息づく地域をめざして


函館支部 支部長
㈱アイズ 代表取締役 高橋 泰助


 支部長をしていると、いろいろ面倒なことや失敗も多いのですが、おかげで自分の無知を知り、また個性あふれる仲間たちと楽しい時を共有することもでき、自分も少しは成長したのかと感じます。


 今年度は全道の50周年ですが、50年前の経営環境と現在の経営環境は大きく変化しています。今年の1月で昭和期函館の繁栄の象徴とも言える棒二森屋デパートも閉店。駅前大門地区から昭和の匂いがなくなり、函館のオシャレの発信地であった街は完全に観光都市函館の玄関口として、居酒屋、ホテル街へと大きく変貌しました。


 同友会の企業構成も製造業や水産加工業の比率が減り、飲食・サービス・観光関連業や高齢化にともなう医療福祉業に従事する企業が多くなってきました。企業規模もコンパクトになり、現場の第一線に立つ経営者が多くなっています。会合に参加する時間をなかなか取れないという悩みも切実です。


 そのような変化に同友会としてどのように活動を組んでいくのか。同友会の目的である、「良い会社、良い経営者、良い経営環境をめざす」という部分は同じなので、その目的のために同友会の学び方である、会員相互が学びあうという方法を徹底していくことが大事だと私は思います。


 具体的には経営指針を学ぶ会員を増やし、例会でのグループ討論を徹底したい。人口減少をはじめ地域の課題に対しては、昨年度は外国人労働の問題、障がい者雇用など、多様な人々が人間らしく息づく地域をめざして活動に取り組んできました。今年度はその活動をより一層強化していきたいと思います。

 



学びの成果を行動に移そう


苫小牧支部 支部長
㈱鈴木住建 取締役会長 長谷川 智


 2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、最大震度7を記録し、北海道全域に大きな爪痕を残しました。震源地に近い厚真、むかわ、安平の3町には8名の同友会会員がおります。このたび道内外の会員の皆様より多くのお見舞い金をお寄せいただき、心より御礼申し上げます。昨年11月に被災地3町の会員の皆様にお見舞いを届けて参りました。


 厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、とまこまい広域農業協同組合の関係者36名の命が奪われました。離農や町外移住によって農地の回復にも数年かかるとのこと。人口は減少し、地域にとって厳しい局面を迎えています。むかわ町では地割れや家屋の損壊、安平町では断水により長期間製造停止となった工場など、会員企業への影響は想像以上でした。地域が今後どうなっていくのか、復興はほんの入り口であることを実感し、あらためて皆様の継続的な支援をお願いしたいと思います。


 さて2019年は目前に迫った消費税増税で、経営環境は一気に厳しくなり、影響は3年ほど続くと予想しています。経営も同じことの繰り返しでは通用しません。同友会での学び方も同様で、「いい話を聞いた」というだけではなく、自社に置き換える力やヒントを見つけ出す力を養い、学びを実際の行動に移すことで経営者は試されます。


 苫小牧支部は230名会員を達成し、参加率向上に取り組み、他団体とも連携し、企業づくり、地域づくり、そして経営者自身の学び合いに磨きをかける一年にして参ります。シニアの力も大いに借りながら、合言葉は「一歩前へ!」

 



実践あるのみ


西胆振支部 支部長
㈱望月製麺所 代表取締役 望月 一延


 西胆振支部は、全道8番目の支部として1979年11月12日、92名で設立総会を開き誕生しました。この年は第二次オイルショックが日本列島を席巻し、経営環境が急速に悪化していきました。これに対し当時の会員経営者たちは、経営体質強化をはかる例会や経営者と社員の「共育」講座の開催、社員のレベルアップや各種社員研修に取り組むなど、経営者の自主的な組織である同友会活動に情熱を傾け、大きな期待を寄せていたことが伺えます。


 そして昨年、40周年を迎えた当支部は、奇しくも設立総会と同じ日に、記念講演会を106名で開催しました。中同協副会長・愛知同友会会長(エイベックス㈱ 代表取締役会長)加藤明彦氏に、「激動の時代を乗り越える~高品質と新技術で人を生かす『克ち進む経営』~」と題した自社の経営実践をお話しいただきました。


 加藤氏は同友会で貪欲に学び、とにかく愚直なまでに自社への落とし込みを継続してきた、実に行動的な経営者でした。


 「同友会に入って、あなた自身や会社は変わりましたか?」と加藤氏に問われ、私は内心どきっとしました。「自らの努力と行動が、人としての成長。やってやってやり続けること、実践あるのみ。社員が成長していくことで企業体質が強くなり、会社は必ず発展していく」。私たちはこの力強いメッセージを託されました。2019年はまさに行動する一年であることをあらためて決意する次第です。今年3月には、第10回全道経営指針一泊研修交流会が登別で開催されます。経営指針研究会再開に向けた大切な第一歩として取り組んで参ります。