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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【67号 巻頭言】2019年 代表理事挨拶

2019年01月01日

創立50周年 つなぐ~原点から未来へ

 

北海道中小企業家同友会 代表理事
㈱ダテハキ 取締役会長 守 和彦

 

 新しい年の幕明けです。会員の皆様にとって、実り多き良い一年になりますことを祈念しております。


全国から届けられた激励


 さて、昨年9月6日未明の胆振東部地震では、41人の人命が奪われるなど大きな被害が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。


 またこの地震によって、道内全域は全国初のブラックアウトとなり、道民のくらしと企業活動に、多大な障害が生じました。会員の皆様も、平常の生活や仕事に戻るまで、想定外の体験を強いられたことと思います。


 同友会では地震発生後、直接被害にあわれた会員へお見舞の募金を呼びかけました。道内外の仲間から続々と温かい激励が寄せられ、短期間で770万円を超える金額が寄せられました。さっそく被災地の会員と、直接被害があった会員に、お見舞金と激励の言葉をお届けいたしました。皆様からの心温まる激励を受け、BCP(事業継続計画)の検討など、災害に負けない企業づくりを進めねばと、思いを新たにしております。


創立期の先達の想いとは


 さて、2019年は私たち北海道中小企業家同友会が誕生して満50年を迎え、11月22日には創立50周年記念式典を開催いたします。


 1969年、我々の先輩たちは、中小企業経営者の多岐に渡る悩みを経営者相互で解決するために、北海道中小企業家同友会をつくります。既に、東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡では、先輩同友会が誕生しており、次のような特徴をもった清新な経営者団体として、活動していました。


⑴個々には勿論、同業組合では解決できない悩みを語り合い、激励しあう同友会。
⑵会員の一人一人が近代経営に脱皮し、隆盛になる道を探求しあう同友会。
⑶金融、税制、労務、法律、貿易などの経営問題や時事問題の講演会、研究会の他、いろいろの懇談や経験交流を行う同友会。
⑷政治的には、一党一派にかたよらず、中小企業の当然な要求を声を大にして訴える同友会。


 これらを踏まえ、北海道同友会の先達は、孤独な経営者から脱皮していくために、裸になって話し合い、明日の経営に役立つ会にしていこうと呼びかけたのです。


 わずか30名でスタートした北海道同友会は、50年の歳月を経て、会員数6000名を目指す全国一の規模へと発展しました。


問われる経営者の体力・気力


 時代は少子高齢化、人口減少、地域経済の疲弊等、大きな転換期の渦中にあります。これに対応して持続可能な地域を維持、発展させていくことは、地域に生きる中小企業の経営課題そのものです。


 経営に困難さが加わる程、経営者としての体力、気力が問われます。


 創立50周年記念事業のスローガンは、「つなぐ~原点から未来へ」。


 50年の蓄積を生かし、経営者相互の学び合いを通して、明日への経営能力を高め、共に力強く歩んでまいりましょう。

 


 

新しい半世紀に向かって

 

北海道中小企業家同友会 代表理事
サンマルコ食品㈱ 代表取締役社長 藤井 幸一

 

 昨年の北海道は天候が悪く、台風も上陸して農作物等にも被害が出ました。その最中で発生したのが、胆振東部地震です。9月6日未明、厚真町で大規模な土砂崩れが起きました。亡くなられた方の中には、同友会会員企業に勤める社員の方が3名含まれていたことを後で知らされます。まことに痛恨の思いでした。


 また、地震に伴い道内全域が停電となり、多くの企業が直接的、間接的な被害を受けました。当社は冷凍食品メーカーですが、冷凍庫の開閉を最小限度に抑えたこともあり、製品の廃棄処分は免れることができました。


 ブラックアウトという未曽有の出来事で痛感したのは、BCPの必要性です。同友会としてもその学習と普及に力を入れていきたいと思います。


挑戦するから失敗がある


 昨年参加した同友会活動の中で私が一番印象に残ったのは、「全道経営者“共育”研究集会inとかち」の記念講演でした。オカモトホールディングス岡本謙一社長のお話です。


 岡本社長は、「成功の陰に失敗あり」といわれました。成功しているが、実は失敗はもっと沢山している。そこから多くを学び、同じ失敗は決してしない。そのため、社員に失敗の経験をさせる。挑戦するから失敗もあるが、挑戦しなければ成功はありえないのだ。


 このお話を聞いた時、私は思わず自分の胸に手を当てて考えました。果たして私は、そのような考えで行動をしているだろうか。失敗を恐れず、チャレンジをしているだろうか。今後にとても参考になるお話でした。岡本社長に感謝を申し上げます。


半世紀の歴史を受け継いで


 今年はたくさんの節目を迎える年であると思います。


 天皇陛下の退位に伴い、5月1日に改元が実施されます。また、統一地方選挙と参院議員選挙がある選挙イヤーです。そして10月には消費税の増税が予定されています。


 5%へ上げた1997年の増税では、深刻なデフレ不況を招き、8%へ上げた2014年もGDPを1・2%押し下げました。今回も増税によって消費意欲の減退が懸念されます。初めて導入される軽減税率や、先に控えるインボイスによる影響も中小企業全般に及びそうです。


 最後に、私たち同友会としての節目です。今年は北海道同友会誕生50年の年。「いい夫婦の日」でもある11月22日には記念講演、記念式典、祝賀会を開催いたします。創立記念日を6000名の会員で迎えようと、昨年の全道総会で決議しました。


 経営環境は益々厳しくなることが予想されます。北海道同友会の先輩たちは「激動をよき友としよう」を合言葉に、「共学・共育・共生」の企業づくりに取り組んできました。その結果、地域からあてにされ信頼される企業が着実に増えていきました。北海道は中小企業振興基本条例の制定市町村が36を数え、全国の先頭を走っています。その背景には、同友会の地道な学び合いの成果があることを、私は誇りに思うものです。


 「激動をよき友とする」気概を受け継いだ私たちの新しい挑戦が始まります。