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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【54号巻頭言】忙しい時ほど学ぼう、苦しい時ほど考えよう

2006年01月01日

北海道中小企業家同友会 代表理事 三神 純一 ((株)エミヤ 代表取締役会長)

 

 昨年12月2日、東京株式市場の日経平均株価終値が、5年2カ月ぶりに15,400円台を回復。日本経済が順調に回復しているとの見方も広がっています。しかし、北海道の中小企業にとって、その実感は乏しくむしろ不安が募るばかりというのが実態です。


 一方、人間の命をまったく無視したマンションやホテルの「耐震強度偽造」が発覚、「好景気」の裏に潜む非人間的な一面も明らかになり、企業と行政の姿勢が厳しく問われています。改めて「良い会社、良い経営者、良い経営環境」づくりを目指す「同友会の3つの目的」、「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域と共に歩む中小企業」という同友会理念の意味をかみしめたいものです。

 

中小企業家と公務員との協働

 

 私は同友会の代表理事として、一昨年から2年間「札幌市市役所改革市民会議」の委員を務めさせていただきました。2004年9月に、上田市長へ「市役所改革市民会議」として提言書を提出、2005年11月に「検証報告」をまとめましたが、この間たくさんの市役所職員と話し合う機会に恵まれました。市役所の職員は、私の予想を越えて着実に変わりつつあるというのが、率直な感想です。


 2年間の委員活動で学んだことは、1)改革にゴールはなく、「改革は先手で」の取り組みが大切、2)従来の「常識」にとらわれない知恵の結集と1人何役もこなす力量のアップが求められる、3)「切磋琢磨」と「連携」が改革の要であるということです。これは企業経営にも通じるものだと思います。


 全体の奉仕者として謙虚に学び、共に育ちあう地方公務員と中小企業家との協働は、新しい可能性を切り開く確かな力になるはずです。


広い視野で足元を見つめて 経営環境が厳しくなると、当面のことばかりに目を奪われ、大局を見失いがちになるものです。北海道同友会の先輩たちは、「忙しい時ほど学ぼう、苦しい時ほど考えよう」を合言葉に大局的な視点で学び合い、励まし合ってきました。


 かつて、当社で経費節減に迫られ、他の会をやめた時も、「同友会の会合だけは出席して下さい」と当社の幹部に励まされたうれしい思い出があります。おかげで当社の現在があると彼らに感謝しております。


 結局、あてになるのは人材です。今年も同友会で大いに学び、広い視野から足元を見つめ、ユーザーの声なき声を受け止めて先手で応える社内体制をつくり、同友会運動をさらに発展させる年にしたいものです。