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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【53号巻頭言】企業づくりと地域づくりを車の両輪として

2005年01月01日

株式会社ダテハキ 代表取締役
北海道中小企業家同友会 代表理事 守 和彦

 

新しい年の幕開けです。


 さて、昨年の10月4日、当会函館支部駒ヶ岳・大沼地区会が20社で発会。当日私も招かれ、「同友会を活かしてきた私の経営」をテーマに一時間ほど話をさせていただきました。函館支部の役員もたくさん激励にかけつけられ、熱気に満ちた雰囲気に圧倒されました。ご来賓の森町長湊美喜夫氏のご挨拶からも、駒ヶ岳・大沼地区会への期待の大きさが伺われました。


質の高い学び合いを

 2004年11月4日、5日の2日間、第23回全道経営者「共育」研究集会が函館で開かれ、青森同友会からの参加者を含め416名が集いました。開会の午後2時には、全体会場がほぼ満席になり、真剣で暖かいまなざしが、開会の挨拶に立った私に注がれます。「函館支部の皆さんは、質の高い学びの場をつくるために用意周到に準備された」と感謝の気持でいっぱいになりました。


 神戸大学教授、二宮厚美先生の基調講演「日本経済の構造変化と中小企業経営の課題」と各分科会の報告と討論が噛み合い、中身の充実したさわやかな2日間を過すことができました。その後の「円空仏と江差追分」の研修旅行では、町をあげて歓迎され、道南地域の風土と文化、人間のすばらしさを実感させてもらいました。


 3日間の研究集会と研修旅行を通して、経営環境の変化を深いところでつかみ、人間臭く、質の高い学び合い、育ち合いを継続する中でこそ、新しい展望が開けることを学びました。

 

中小企業憲章と同友会の3つの目的

 昨年の12月4日、札幌支部例会で「ヨーロッパ小企業憲章」について学ぶ機会がありました。講師は三井逸友先生(横浜国立大学大学院教授)です。EU(ヨーロッパ連合)結成の背景に、戦争の歴史に終止符を打ち恒久的平和を実現したいという願いがあり、「ヨーロッパ小企業憲章」は、中小企業をあまり重視してこなかった反省から制定されたとのことでした。


 この憲章の前文に「小企業はヨーロッパ経済の背骨である。小企業は雇用の主要な源泉であり、ビジネスアイディアを育てる大地である。小企業が最優先の政策課題に据えられてはじめて、新しい経済の到来を告げようとするヨーロッパの努力は実を結ぶだろう」とあります。これは、同友会の三つの目的(よい会社、よい経営者、よい経営環境をめざす)そのものではないでしょうか。


 本年は高い目標を見据えつつ、地域の経済と中小企業の実態をつかむところから「中小企業憲章」制定運動に取り組みたいものです。