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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【51号 巻頭言】代表理事挨拶

2003年01月01日

経営指針を確立し新しい可能性を切り開こう

 

株式会社エミヤ 代表取締役会長
北海道中小企業家同友会 代表理事 三神 純一

 

 「不良債権の最終処理」が加速され、金融情勢は切迫して参りました。改めて私たちが取り組んでいる「金融アセスメント法」制定運動の緊急性と重要性を感じています。


 今、この運動は大きな広がりを見せています。署名も北海道で10万筆を突破し、全国で100万筆に迫り、意見書を採択した地方議会が北海道の全議会(213議会)を含め、全国で400議会を大幅に超えました。経済評論家の内橋克人氏など、金融アセスメント法の取り組みを評価する識者が増えて、マスコミにも取り上げられるようになってきました。


 「金融アセスメント法の趣旨には賛成だ。超党派で実現を目指したい」と励ましてくれる道内の与党議員も現われ、ペイオフ全面解禁も2年延期になるなど、私たちの取り組みは確かな力となりつつあります。



地域金融機関と共に

 

 昨年は、同友会西胆振支部や苫小牧支部など、伊達信金、苫小牧信金、そして地元の商工会議所、三者主催で「地域活性化と地域金融のあり方」について講演会を開催。講師には、金融アセスメント法の提唱者である立教大学教授の山口義行氏を招きし、行政や議会関係者などと一緒に、地域を元気にする金融のあり方を学びました。


 また一昨年の道内三行と札幌信金に続いて各支部が呼びかけて空知信金、釧路信金・釧路信組、帯広信金・十勝信組、北海信金の役員と地域金融のあり方について懇談し、相互理解を深めました。


 「地域金融機関は、地域に根差しており地域から逃げるわけにはいかない。同友会の皆さんと共に地域活性化に努力したい」との連携と期待の声が共通して寄せられています。

 

可能性を汲みつくして

 

 「構造改革」不況が、地域経済を支える中小企業と地域金融機関を直撃し、痛みはますます強まる気配です。それにもめげず、同友会の会員は地域の可能性を汲み尽くし、たくましく活路を見い出そうとしています。


 北大の先生方や公設試験場の支援で新規事業に取り組むHoPE(産学官連携研究会)、オホーツク支部の会員や農業者が立ち上げた農業生産法人イソップアグリシステムの活動、地酒「美苫」造りをテコに地域活性化に取り組む苫小牧支部など、大学・研究機関や行政とも協力した異業種連携の新しい試みが始まっています。さらに金融機関がそれをバックアップする産学官連携へと発展しつつあります。


 しかし、基本はいつでも人材です。経営指針を確立し、共学・共育・共生の次元の高い関係を広げたいものです。