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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【50号 巻頭言】代表理事挨拶

2002年01月01日

「金融アセスメント法」制定運動の輪を広げて

 

株式会社エミヤ 代表取締役会長
北海道中小企業家同友会 代表理事 三神 純一

 

 昨年の七月十二日、十三日に二十一世紀初の全国総会が北海道で開催され、全国から一、五四九名の仲間が参加しました。実行委員長の私を支えて下さった全道の役員、会員の皆様に心からお礼申し上げます。


未来をきり拓く力を

 

 「IT不況」と「構造改革不況」に「テロ不況」「狂牛病不況」が加わって、底が見えない経済状態が続いています。昨年の全国総会でのパネルディスカッション「同友会運動に課せられた二十一世紀の課題」は、厳しい経営環境の中で、未来をきり拓く力がどこにあるのかを教えてくれます。


 第一に、経営者は、いかなる難問題にもくじけず、経営者資質、特にこれからは人間性と挑戦的行動力を高める努力を怠らないことです。そのためにも、同友会で学び、学んだことを自社で実践し、実践した結果を報告し、さらに学びを深めていくという学び合いのサイクルをしっかりと構築していきたいものです。


 第二は、社員をパートナーとして位置づけ、社員がその気になって働き、働く中に喜びと楽しみを見い出し、企業をわが人生にとってかけがえのないものだと思える強固な信頼関係をつくりあげることです。


 第三に、アメリカでもヨーロッパでも、日本を除く先進工業国では中小企業が増えており、中小企業の発展なくして日本経済の再生はないことを、今こそ声を大にして主張し、運動を広げる時だということです。

 

新しい金融システムを

 

 「金融アセスメント法」制定運動は、今、全国の同友会に広がっています。この運動は、ペイオフ解禁の再延長、金融検査マニュアルの一律適用の是正、不良債権最終処理にあたって中小企業への影響を最小限に抑えるなど、中小企業の当面する金融上の困難を解決しながら、地域と中小企業の発展のために努力する金融機関を公的に評価(アセスメント)し、育てていくことをめざしています。また、(1)物的担保優先や連帯保証による融資の割合を減らし、中小企業の潜在能力や事業性を重視した融資を拡大する、(2)貸し手と借り手の公正な取引関係を確立することも目標にしています。


 これまで北海道同友会では、札幌信用金庫、札幌銀行、北海道銀行、北洋銀行の代表の方々と順次懇談会を開催し、率直な意見交換をしてまいりました。各金融機関の代表の方々は、私どもの運動に理解と共感を示され、お互いの信頼関係を強めて共に北海道経済を支えていくことを確認し合いました。道議会や全道の市町村議会にも陳情を終えています。さらに請願署名の輪を広げたいものです。