気流

2022年03月15日

　『職場は、地球と宇宙』宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）が、13年ぶりに宇宙飛行士候補の募集を行いました。日本の宇宙飛行士7名の平均年齢は51歳。月面活動が本格化する2030年には定年で2名に減る状況です。募集要項では、応募資格が緩和され学歴や専門性は問わず、女性の活躍推進が示されました。多様性の確保や、付加価値の高い成果の創出を目指す狙いがあります。

　宇宙の誕生は、約137憶年前。人類は空を見上げ想像を巡らせてきました。1957年に世界初人工衛星スプートニク1号が打ち上げられ、2011年には国際宇宙ステーションが完成。宇宙や人類誕生の長い歴史の中、約50年という短期間で人と宇宙の距離が縮まりました。「人類と宇宙の大いなる発展」という壮大な目標のもと、表舞台に立つ宇宙飛行士だけではなく、研究者や技術者などが地上での開発から始め、小さな気付きや失敗と成功を積み重ね続けた結果です

　長引くコロナ禍で新たな価値観や働き方が生まれた一方、夢を持てない若者も増えています。各地で活躍する宇宙飛行士もかつては宇宙に憧れを抱いた子どもでした。「人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ」というアームストロング氏の言葉のように、人材や企業の成長もわずかな前進の繰り返しが未来に繋がります。春は新たなスタートの季節。失敗を恐れず、大きな志を持って新たな一歩を踏み出しましょう。