気流
2022年01月15日
新型コロナウイルスが国内で初めて確認されてからちょうど2年。国内の感染状況は落ち着いたものの、感染力の高いオミクロン株が世界で急拡大し、予断を許しません。
結果論とのそしりを恐れずにいえば、被害拡大の要因は国が感染対策よりも経済活動を優先させたことにあり、グローバル経済に組み込まれた経済システムが引き起こしたともいえます
人類の歴史をみると開発による自然・環境破壊とグローバル化の中で感染症は度々発生しています。問題は効率化のために地域保健所の大幅統合や公的病院の再編でローカルの安全装置を破壊してしまったことです。その背景には新自由主義への過度な依存があります。経済発展を目的にしながら、地域の力を削ぎ、弱者を省みず、富が一極集中するシステムでは持続的発展は望めません。
私たちの遠い祖先であるホモ・サピエンスが生存競争に生き残れた要因は弱小であるがゆえに集団で生活し互いに助け合う関係を築いたことにあるそうです。
同友会理念の「自主・民主・連帯」は「皆で決めたことを協力して気持ちよく達成する」と表現できます。人間が人間らしく協力し合い、目標を達成し、喜び合うという精神が共通しています。
コロナ禍は社会や経済の課題を浮き彫りにし、警鐘を鳴らしたとも捉えることができます。新年を迎え、改めて私たちが目指す理想の社会とそれを構成する経営を見つめ直したいものです。