我が社の自慢19 西山製麺(札幌市)
2018年06月15日
「食文化」語り継ぐ屋台
我が社の自慢は、創業のきっかけとなったラーメン屋台の複製です。
当社は麺の製造を主力としています。1947年に登場したラーメン屋台「だるま軒」で製麺を担当したのが、創業者の西山孝之でした。数年かけて他店にも麺を卸すようになり、53年に製麺部門を独立させて西山製麺を創業。この屋台は当時の「だるま軒」を再現したものです。
孝之は屋台に来るお客様との会話からヒントを得て、麺の工夫をしていました。寒い屋外では手が凍えて箸から麺が滑りやすいのでウェーブをかけ、伸びにくくするために卵を混ぜて卵色の麺を誕生させました。この麺が当時評判となっていたみそ味のスープと合い、今日の札幌ラーメンが完成しました。
商品開発に懸ける熱意は今も受け継がれ、生麺を使用したお土産ラーメンの製造や、ふるさと小包でのラーメン発送にも日本で初めて取り組みました。地元の小学3年生の教科書に取り上げられるほど、札幌ラーメンは地元の食文化として定着しています。
札幌ラーメンの認知度が上がるにつれて当社がイベントに出展する機会が増え、自社の象徴として25年前にこの屋台を作りました。細部まで忠実に再現しており、実際にラーメンを作ることも可能です。この屋台には札幌ラーメンの歴史が刻まれ、お客様との対話が当社の原点であることを教えてくれています。
(常務取締役・西山克彦)
▽設立=1963年、会員=代表取締役社長・西山隆司、業務内容=麺類の製造販売業、社員数=207人(パート116人含む)