気流
2020年04月15日
新型コロナウイルス感染症が世界各地で猛威を振るっています。政府の専門家会議は「今後、まん延の恐れが高い」として、長期の備えと地域に応じた対策を提言しています。
道内での爆発的感染は抑えられているものの、特に観光関連業、飲食業などへの影響は甚大です。事務局による会員ヒアリングでは「3月の予約が全てキャンセル」「このままだともたない」など悲痛な声が聞こえてきます。一方で希望を感じさせる取り組みもありました。試験的なテレワークの実施やテレビ会議による効率化、飲食店ではSNSなどで情報発信し、新たにテイクアウトを始めたり、クラウドファンディングで支援金を集めたりする企業も現れています。
とはいえ、自粛による経済活動の停滞がこれ以上続くと、多くの中小企業で運転資金の確保が困難になります。もはや自助努力では対処しきれない問題です。
中小企業憲章は中小企業が雇用の源泉であり、地域経済をけん引する力とうたっています。この精神にのっとり、中小企業経営を支える前例にとらわれない支援策が期待されます。そして、経営指針に基づく強靱な企業づくりと、気軽に地域金融機関や支援機関に相談できる日常の関係づくりが、幾多の災害を乗り越えた会員企業の教訓です。
かつてない局面で新入社員を迎えますが、今こそ社内外のネットワークと知恵を結集し、「激動をよき友」としてきた同友会の学びの真価を発揮するときです。