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新型コロナ緊急アンケート 回答の9割経営に影響

2020年04月15日

支援策注視し資金手当てと雇用継続を

 

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、北海道同友会では225日から33日にかけて会員企業に緊急アンケートを実施し、621社からの回答を得ました。この中で、「すでに影響が出ている(以下「影響あり」)」(269社・43%)と、「今後影響が出る可能性がある(以下「今後影響懸念」)」(284社・46%)を合わせて、回答者の約9割の企業に影響が及んでいる実態が明らかになりました(図1)。

 

 

 結果を圏域別に見ると、「影響あり」「今後影響懸念」を合わせると道北が96%、道南が95%に達しています。また従業員の多い企業ほど早く影響が出ている傾向が見られ、従業員数50人以上の企業では55%以上の企業にすでに影響が出ています。主要業種別では、卸売・小売業が「影響あり」の53%、「今後影響懸念」の41%を合わせると94%に上ります(図2)。

 

 

 具体的な影響では、「展示会、イベントの中止・延期」(136社・506%)、「来店数の減少による売上減少」(119社・442%)、「予約キャンセルによる損失の発生」(99社・368%)、「国内外への出張の中止・延期」(66社・245%)が上位を占め、新型コロナウイルス感染症拡大の防止に伴う活動自粛が経済活動に大きな影響を及ぼしています。

 

 「国内仕入先からの仕入れ、調達に支障をきたしている」(65社・242%)、「海外仕入先からの仕入れ、調達に支障をきたしている」(38社・141%)にも影響が出ており、中国依存の製造体制が国内の製品、商品不足に拍車をかけていると思われます(図3)。

 

 

 今後懸念される影響では、「消費自粛による売上減少」(321社・517%)、「社員の出勤停止・時差出勤などへの早期対応」(312社・502%)は半数を超えました。「原材料仕入れ価格の上昇」(169社・272%)、「サプライチェーン断絶による生産の停滞・減少」(163社・262%)、「インバウンド減少による売上減少」(146社・240%)も20%を超えています。事態が長引けば、現時点で240%に上る「資金繰り悪化」がさらに増え、中小企業経営や北海道経済に大きな影響が出ることが予想されます(図4)。

 

 

 本アンケート結果は3月上旬の情勢を反映しており、それ以降欧米での感染拡大や道内企業の倒産も発生し、影響はさらに拡大していると考えられます。事務局による会員企業への電話ヒアリングによると、観光業を中心に売り上げが大幅に減少しているほか、商材の入荷が滞り、販売・施工が後ろ倒しとなって資金繰りに苦慮する声も聞かれます。

 

 新型コロナウイルス感染症の影響による経営悪化を食い止めるため、政府や自治体、支援機関などから様々な支援策が打ち出されています。それらを注視すると共に、運転資金は通常より長めに確保することが必要です。北海道同友会のウェブサイトでも支援策をまとめたページを開設しているほか、電話によるご相談にも応じています。

 

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