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【1世紀企業 55】ヤマレン(根室市)

2020年01月15日

金物販売軸に経営多角化 地域の潜在力生かしたい

 

 漁業・建設資機材をはじめとした金物販売業を軸とし、自動車や家電製品販売など多岐にわたり事業を展開するヤマレン。時代とともに変化するニーズを捉えながら、顧客の信頼を得続けて、ことしで107年目を迎えます。

 

ヤマレン山本商店時代の店舗

 創業は1913(大正2)年、現社長である山本連治郎氏の祖父・連蔵氏が、金物や瀬戸物を取り扱う荒物屋として山本連蔵商店を立ち上げました。当時の根室町(現・根室市)は人口も増加し、成長を続ける時勢で、水産加工場や木工所が建築物の整備を進めるなど、金物の需要が高く、堅実な発展が見込めるとして事業を始めました。主に根室町内をはじめ、北方四島や根室管内の羅臼町にも商品を納めていました。

 

 その後は、同氏の息子である連城氏が引き継ぎ、弟の連一氏が専務として傍らを支え、45(昭和20)年以降の戦後復興景気と高度経済成長期の中、徐々に事業規模を拡大。51(昭和26)年にはヤマレン山本商店に改名・法人化します。戦後の復興景気に乗り、漁船や水産加工場へ資機材を提供し企業としての強固な基礎を作り上げていきました。

 

 そんな中、連治郎氏が入社したのは71(昭和46)年のことでした。当時の根室市の人口は5万人弱。漁業が活況を見せ、春には花咲港にサケ・マス漁業船団200隻以上が全国から集まり、夏にはイカ漁が最盛期を迎えました。連治郎氏は早朝から夜の午後1011時まで在庫管理や伝票整理などに追われ、大変忙しい日々を過ごしていたといいます。また、翌72(昭和47)年には現在のヤマレンへと名称を改めます。

 

 76(昭和51)年には、当時の新酪農村建設事業による需要増を見込み、中標津店を出店。さらに80(昭和55)年、それまで内部にあった電気部を独立し、家電を主力として取り扱うそうご電器のフランチャイズ店を展開するほか、新に不動産部を立ち上げるなど、多角化や他地域への進出を進めました。

 

 社長に就任したのは92(平成4)年。当時は経済が低迷する中、「社会情勢に合わせた店舗づくりをしなければという思いと、過剰な投資を抑えるという気持ちがあった」と振り返ります。94(平成6)年には根室市大正町にそうご電器の店舗を新築し、2006(平成18)年には現社屋と鋼材・資機材などを取り扱うBigProを本町に新築しました。この期間にはフランチャイズ元であるそうご電器の破綻や事業の取捨など、厳しい状況を乗り越えました。

 

 連治郎氏は厳しい外部環境において「地域のポテンシャルをどう生かすか、集中と選択、ニーズを考えなければならない」と指摘します。釧根の発展のために、さまざまな資機材を提供するという使命感を持って未来へと進みます。