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【我が社の自慢 30】駅前店をお菓子で再現 柳月(音更町)

2019年07月15日

ジオラマと田村昇社長(右)、飯田哲夫監査役

 

 自慢はお菓子で作った柳月駅前店の立体模型のジオラマです。本社一階の店舗に展示しています。うちの86歳になる監査役の飯田が中心になり、去年の夏から作り始めて4月に完成しました。飯田は私の両親が帯広で創業した1947年に、15歳で菓子職人として入社しました。元気なうちはいつまでも働いてもらいたいね。

 

 駅前店は1967年に開店しました。私は71年に入社しましたが、地方から汽車で高校に通っていた学生が大勢来店していましたね。普通の喫茶店は高校生が出入り禁止でしたが、柳月でホットケーキやパフェを食べることは学校も認めていました。

 

 ジオラマのきっかけは、NHK連続テレビ小説「なつぞら」です。NHKが当時の話を聞かせてほしいと訪ねてきました。ドラマのおかげで十勝も有名になる。よし、菓子で店を再現しようと菓子のジオラマを作ることにしました。

 

 創業者の父親は紋別上渚滑の開拓農家の6番目で、満州の会社で経理の仕事をしていました。戦後の引き揚げ列車の中で赤ん坊が泣いていたそうです。みかねた乗客があめを渡すと泣きやみました。その光景を見て菓子で身を立てることを決心し、帯広に砂糖を求めて移り住みました。創業者が苦労してつくった駅前店は今ではありません。再現できてよかった。本当に飯田のおかげです。ありがとう。

 


 

 ▽設立=1947年、会員=代表取締役・田村昇、事業内容=菓子製造販売、社員数=500人