【54号】日本一の中小企業施策の街、墨田区に学ぶ
2006年01月01日
東京都墨田区地域振興部 商工担当産業経済課 課長 高野 祐次
墨田の概要
今日は墨田の概要と中小企業振興基本条例を出発点にそれまでの施策の流れ、そして今取り組んでいる中小企業のまちすみだ新生プラン・工業振興マスタープランとそれに基づいて具体化している事業についてお話させていただきます。まず墨田区の説明をさせて頂くと区役所は政令指定都市であると、市の中の1出張所の扱いでありますが、東京23区は市レベルの行政自治体になっております。区の予算も一般会計870億円、特別会計を合わせると1,400億円規模の区です。隅田川の東側に位置し、南北6㎞、東西5㎞位の東京都の中でも比較的小さな区です。人口が約23万人で高齢化率も20%を超え、密集市街地であり人口密度も高くなっています。区の中央部を境に北側と南側では大分道路の様子が違います。南側は本所深川というとイメージしやすいかと思いますが、本所といわれる地域です。1657年の明暦の大火のあと、隅田川の東側一帯を整備したのがこの町の成り立ちです。そのため、整った碁盤の目のような道になっています。北部は向島と呼ばれる地域で昔からの農道がそのまま道になったような細い道が入り組んだ地域となっています。
墨田の産業
明治時代になり多くの武家屋敷があった墨田は用地が豊富で、殖産興業という国の政策の中で今でも残るような大きな工場がたくさん建設されました。例えば精工舎が生まれたのも墨田ですし、鐘ヶ淵紡績、今のカネボウや花王、ライオン、アサヒビール等も墨田が発祥の地です。軍需産業育成のため革製品やメリヤス製品の工場なども建てられました。大正・昭和に入ると隣の台東区の浅草、蔵前、日本橋の問屋街を支える製造機能として発展しました。現在の墨田では一言で言うと朝起きてから夜寝るまでの日用消費財を一通り作っています。これを2つに分けるとファッション関連と機械金属関連の2つになります。ニット製品(セーター、カットソー)、ガラス製品、靴、袋物(かばん)、ベルトなど身の回りのもの、あとハウスウェアといわれるもの。このような日用品の中のファッションにかかわるものが作られています。もう1つは機械金属部品に関わるもので、スプリング、ねじなど機械部品、金属製品、部品の加工(メッキ、プレス等)で、それもどちらかというとファッションに付随するものが多いです。例えばベルトのバックルはファッションですが、金属製品であることは間違いありません。典型的なものはスプリングの機械部品を専門にやっている企業が、あるデザイナーとの出会いで作ったペーパーホルダーは、MoMA美術館(ニューヨーク近代美術館)のミュージアムショップで売上ベスト3に入っているそうです。
墨田が産業振興に向かった所以―自区内就業率5割―
データ的なことをいいますと、墨田の事業所数は平成13年度の統計で19,342、その内製造業は5,645、約30%が製造業で東京都の平均は約10%なので、それだけ墨田はものづくりが中心ということです。墨田の工場の平均面積は120㎡くらい、19人以下の事業所が93%を超えていて、平均で8・7人です。年間の1工場あたり出荷額が墨田は1億円、東京平均は3億円。それだけ小さいということがわかると思います。自区内就業率(区内の事業所の従業員に占める区民の割合)は52%です。地方都市では当たり前ですが、東京のように電車で十分も乗ればすぐに区を越えてしまうところで52%というのはかなり高いのです。しかし、昭和40年代では8割を超えていました。これが我々の原点です。つまり中小企業の活性化をはかるのが区民の生活につながっていくという理念があり、20数年前に当時の区長が、中小企業振興基本条例を作り、中小企業政策に向かおうとした根拠がここにあったのだろうと思います。下請けのメーカーさんが多く、自社ブランドをもっているところはほとんどありません。試作品を作ったあとに多品種少量生産をする。それが売れ、大量生産ができるとなると元請の会社は、中国で生産を行うようになる。それをどうするか、墨田の製造業の課題です。
中小企業基本条例制定
墨田区の原点は1979(昭和54)年の中小企業振興基本条例であります。それをつくるにあたって、係長以上の職員180人が町に出て1~2年かけて企業の実態調査をしました。それをもとに中小企業施策の基本精神である条例づくりに進んでいったのです。昭和40年代の高度経済成長の中、公害規制等も非常に厳しくなり、密集市街地では工場の拡大ができずに外に出て行かざるをえない状況でした。当時の区長は町の活気がなくなっているのを感じたそうです。やはり中小企業の工場が生産活動をして活気づかなくては町の活性化はないのではないかと感じ、始めたのが実態調査や中小企業振興基本条例であります。
中小企業振興基本条例に魂を入れる
条例を作っただけでは物事は動きません。条例に基づいて施策の柱立てをしていくために、学識経験者等による中小企業振興対策調査委員会を立ち上げました。委員会の提言を受けて、具体化を進めていったのが今も続いている産業振興会議でした。これは工業者、商業者等の区内産業人と学識経験者、そして区の職員の3者からなる諮問機関で、まず取り組んだのは具体的な支援施設の整備です。1983年に産業会館、1986年に中小企業センターを作りました。産業会館は展示場で、墨田の中小企業は下請けでも優れた製品をたくさん作っていますが、それを外に売り込めないという悩みがありました。産業会館は製品を売り込む場として作られました。
一方、中小企業センターは物をつくる技術をレベルアップする場で、特に機械金属系の製造業者を対象とした施設です。中には開放利用ができる工作機械があり、いつでも使えます。工作機械だけでなく、高価な三次元測定器などもあり、親企業からデータをつけて提出しろといわれた時に、自社では測定器は買えないので、ここでデータを測定するなどの使い方をされています。このセンターは17名の中小企業診断士や技術士などの専門の相談員がいて、毎日4~5人が必ず常駐して相談に応じています。この施設を作るに当たっては製造業・卸売業企業台帳調査というのを行っており、企業のデータをデータベース化して医者のカルテのような形で残し、初めて訪れた企業でもすぐに内容が分かる体制を取っています。このように取引の拡大や技術の向上のための支援施設として機能しています。これが、一歩踏み込んだ中小企業施策の展開が進んでいった始まりだと思っています。当時、中小企業施策は都道府県レベルの仕事で、平成12年に中小企業基本法が改正されて市町村の責務が初めて謳われるようになるまで、市町村がこういうものをつくることは考えられない時代でした。
3M運動
墨田の施策を全国的なレベルにまで売り込んだのは3M運動です。先ほどの産業振興会議の場で提案された内容を行政の側が受け取って具体化した運動です。それが20年たった今も続いていて、今だからこそ新しい事が始められる面白い事業です。マスコミにも年100回近く取り上げられているヒット商品です。3M運動とは小さな博物館(ミニミュージアム)、マイスター運動、工房ショップ(マニファクチャリングショップ)のこの3つのMからなる運動で、一言で言えば墨田の産業が表にうってでるPR運動なんです。
小さな博物館とは、墨田から生まれた産業や文化に関わるものを民家や作業場の一角に博物館を作って、墨田を知ってもらう産業のPR運動です。現在27館あります。
マイスターとは、ものを作る技術を持っている方をマイスターとして認定して、技術の向上、継承をしていく運動です。現在は36人います。
工房ショップは物を作る現場を持った店を持とうという運動で、現在ショップは18あります。行政としては様々な助成金制度を設け手助けをしていて、現在も毎年毎年応募があり増えている状況です。しかし、これだけではだめで、いろいろな展開をしていかなくては盛り上がりが出てきません。そのために様々な仕掛けをしていて、その1つが、マイスターたちのグループでパルティーレというものづくりの会です。バネや、すかしぼり、屏風などのマイスターがコラボレーションして作品の発表会、展示会をしています。麻布十番など外国人が多いところでギャラリーをかりて外国人を目当てに展示会をしたりしていて、自らの活動が売れるものづくりにしていこうという取り組みをしています。
産業白書「イーストサイド」と工業振興マスタープラン
3M運動を始める頃に条例はでき、産業振興会議で具体的な施策を進めてきましたが、この先10年、20年先どうやっていくか考えていかなくてはいけない。そこで産業ビジョンとして作られたのが産業白書「イーストサイド」です。これからの墨田をどうしていくかの方向性を打ち出した大きなビジョンで、20年前に作られたものです。今読んでも新しいところがたくさんあり、今の型にも合っている内容の施策を進める根底においているものです。これに基づいて、具体的な5年くらいの施策を作ったのが工業振興マスタープランといわれるものです。ほぼ6年おきに作っていて、第1回が1989年、第2回1995年、第3回が現在の「中小企業のまちすみだ新生プラン」で2003年に作られました。マスタープランが区の基本計画に反映されて具体的な事業計画になっていく。行政が今、これから何をやるかというとマスタープランを具体化して、1つでも成果を出す事が求められています。
事業所数が約19,000と申し上げましたが、工場数は当然ながら減っています。大量生産品は中国で生産され、工場は墨田からは出て行っています。事業所は試作品や単品を扱うところだったり、本社機能だったりとファブレスになってきています。1970年の9,700の工場数をピークに2000年に4,800と約半分に減っています。しかし、そういった状況の中で区内で生き残っている企業もあります。生き残っている企業にはやはり特長があり、私は3つに分類しています。1つめはそこでしかやれない高度な技術に特化した企業。例えば刺しても痛くない注射針を開発した岡野工業は携帯電話のリチウム電池の箱を1枚の板から深絞りというプレスの技術で作っています。そのプレス技術があったからこそ、携帯電話がこんなにも薄くなったのです。2つめはクイックレスポンス。例えばある企業は朝インターネットで注文が来ると最も早いときは、午後には納品ができます。その会社の工場に行くと材料なんかないんです。まわりに材料屋さんがそろっているので、朝電話すると10時には材料が届き、お昼過ぎには納品しています。3つめはニッチな分野に進出している企業。ニッチな市場が一大消費地である東京にはたくさんあります。情報も入ってきますし、需要もニーズもあります。墨田に残っている会社はこの3種類に分けられるのではないかと私は思っています。
すみだ新生プラン3つの戦略
平成8年から11年まで事業所統計の推移の中で製造業は1の創業に対して6の廃業、6倍の廃業率です。全事業所では1の創業にたいして2の廃業、このままでは減っていくのは明らかです。そこでその対策として立てたのがマスタープラン「中小企業のまちすみだ新生プラン」です。その内容を簡単に言うと今まで頑張ってきた企業が残ることができるようにしよう。また、それだけでは減っていくので新規の創業を増やしていこうという内容です。その2つの課題を解決するために3つの柱立てをしています。
1.地域産業を牽引するフロンティア人材育成、2.経営革新を目指す企業群の創出、3.ニュービジネス、べンチャー、新規創業等の集積育成の戦略です。
フロンティア人材の育成
フロンティア人材育成の柱はやはり後継者の育成です。今やっているのは「フロンティアすみだ塾」です。一橋大学教授の関満博先生にご協力いただいていて、丸1年かけ、10人くらいで進めています。ビジネススクールのようなものではなく、講師は呼びますが徹底的に話し合う場を作っている塾です。平日の夜ですと中小企業の後継者は行けません。われわれは月1回土曜日の午後、4時間びっしりやります。夜は飲み会で、それも2軒3軒当たり前と徹底的にやります。去年の例をお話しますと、ある男性は歯医者になりたくて大学の歯学部を出て大学病院に勤めていたのですが、父親が倒れて戻らざるを得なくなり会社に戻りました。しかし、お客さんがついているので、毎週木曜日の午前中は歯医者をしていました。そのような中途半端なことではいけないと皆思っていたが、何も言わないで成長を見守っていました。1年終わった後にプレゼンテーション大会をやったのですが、その時に「3カ月で従業員を食べさせなくてはいけないと思った。」と発表しました。それが去年一番印象に残った例です。今年も既に始まっていますが、今年は女性が2名います。すみだ塾では最初に20分くらいで徹底的に自己紹介をしますが、24歳の女性はその場で自分の名前以外何も言えませんでした。その彼女が3カ月めに「来年の3月に社長を継ぎます。」と宣言しました。その会社は10人ぐらいの金属加工会社です。社長は引退したいので社長になってくれと従業員一人一人に面接で聞いたのですが、やりたいと言う人が一人もいなかったのです。そこで娘さんは、私がやるしかないと決意しました。彼女はゆくゆくは継ぐつもりで工業高校は出ていますが、まだ24歳。人前で全然話せない彼女が3カ月で社長を継ぐ決意をしたのです。皆で応援しようと社長の就任式をする計画をしています。ベンチャーの若手の経営者などとも交流していて、新年会には100人くらい集まりました。関先生のつながりですが、これが100人200人を超えていくと大きな流れになると考えています。
経営革新を目指す企業群の育成
今、墨田区は早稲田大学との産学官連携を進めています。早稲田大学の知恵と墨田の技術で新しいものを作っていくというねらいがあります。その一つに早稲田発のベンチャー企業「早稲田ビジネスパートナーズ」という会社があります。そこは、区内の企業に経営革新支援事業というのをやっています。例えば、墨田の製造業は技術は素晴らしいが、経営のほうはどんぶり勘定だったり、在庫管理がなっていなかったりしているので、技術ではなく経営を一つ一つ改善していこうとしています。また、オンリーワンを目指す企業を対象に「ものづくり企業大賞」という表彰制度を設けて企業十社を表彰しています。通常ですと、表彰式は企業に役所に来てもらうのですが、墨田方式は違います。区長に1社1社企業を訪れてもらって、従業員の前で社長を表彰するのです。そうすると社長だけでなく、従業員も会社を誇りに思うのです。受賞企業には表彰状ではなく墨田の地場産品のガラスを使ったオブジェを差し上げました。このオブジェは後にお話しする創業支援施設で育った高橋まさみさんという若手デザイナーとガラス工芸のマイスターとをマッチングして作り上げたものです。
ニュービジネス、ベンチャー、新規創業の支援
新規創業の支援では、区内で民間のビルのオーナーに協力してもらい、SOHOに改修していただくとイニシャルコストとして200万円を限度に助成しています。入居企業には2年間を限度に月5万円、2分の1を限度に助成しています。そうした事例は両国近辺で2カ所あります。また、区が25億円出資して第3セクターであるファッションセンターを作りました。これはファッション系の創業支援で、その中に13社が入っていて3年間家賃が無料です。東京都のベンチャー墨田というのもあり、全部で52社の創業支援を進めています。そういう企業にビジネスマッチングの場を用意したり、月1回インキュベーションマネージャーを派遣したり、創業間際の企業は資金繰りが大変なので専門家を派遣して相談に応じたりもしています。また、そういう施設の支援をしていても、2年とか3年すると出て行かなければなりません。当初はそれで行政の仕事は終わりかと思っていたのですが、墨田に残ってもらわなくては意味が無いわけです。そこで、地元の信用金庫、不動産業の団体と一緒に「墨田で頑張ろう説明会」を開催し、信金さんには金融面の相談会をしてもらい、不動産屋さんには彼らの希望を聞いて情報を流しました。その結果、ファッションセンターに入っている12社のうちの7社が残ってくれました。
墨田の目指す地域
現場主義をモットーにすすめてきましたが、今のようなかたちになるまでは大変でした。今は現場主義が風土になっていると思います。そのために、事業の中に現場に行く仕組みづくりを心がけています。先ほど話しましたものづくり大賞は、地元の信金の各支店から2~3社紹介してもらっていて、今60数社の候補が上がっています。職員がチームを組んで、1社1~2時間程度ヒアリングに行き、実態をきちんと調べて評価指標を作りそれで審査しています。そうすると、それだけで職員は60数社との新しい企業との出会いが生まれます。今、皮革産業の連携推進プロジェクトを進めていて、30数社のヒアリングを終えています。要するに、予算書に何とか調査という事業はありません。しかし、企業の実態をうかがって次の産業施策に活かしていくというスタイルをとる限りは、企業に出向いていくしかありません。事業の中に、職員が企業を訪問せざるを得ない仕組みをつくっているのです。
墨田でやると墨田全体が応援しているような雰囲気があるな、墨田で起業すれば何か起こるのではないか、と思われる地域づくりを進めています。企業が元気になることでまちも元気になるのです。小さいまちだからかもしれませんが、それを肌で感じることができるのです。地域との関わりなくして中小企業は存在できないと私は思っています。どれだけ地域に貢献するか、それによって会社としても色々な意味で大きくなっていくと思います。そういう視点から地域の活性化につながって、元気のあるまちだなとか、面白いまちだな、と一人でも多くの人に感じてもらえる地域になれば良いと思います。言い足りない部分もありますが、長時間ありがとうございました。
(文責 白川)
墨田区中小企業振興基本条例昭和54年墨田区条例第17号
(目的)
第1条 この条例は、墨田区における中小企業の重要性にかんがみ、中小企業の振興の基本となる事項を定めることにより、中小企業の健全な発展と区民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において中小企業とは、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に定める規模及び業種の企業をいう。
(基本方針)
第3条 中小企業の振興は、墨田区の人と緑と産業の調和したまちづくりの実現を目標に、区内の中小企業の自らの創意工夫と自主的な努力を尊重し、その特性に応じた総合的な施策を、国その他の機関の協力を得ながら、企業、区民及び区が、自治と連帯のもとに一体となって推進することを基本とする。
(施策の大綱)
第4条 前条の基本方針に基づく中小企業の振興施策の大綱は、次のとおりとする。
(1) 中小企業の経営基盤の強化を助長し、地域経営の健全な発展に寄与する施策
(2) 中小企業振興に寄与する地域環境の整備改善に関する施策
(3) 中小企業従事者の福祉の向上に関する施策
(4) 中小企業に関する調査及び情報の収集、提供等に関する施策
(区長の責務)
第5条 区長は、前条の施策を具体的に実施するに当たっては、次の措置等を講ずるとともに、消費者の保護に配慮しなければならない。
(1) 財政その他の措置を講ずること。
(2) 特に小規模の企業及びその従事者に対して必要な考慮を払うこと。
(3) 国その他の関係機関と協力して施策の推進を図るとともに、必要に応じて、国等の施策の充実及び改善を要請すること。
(中小企業者の努力)
第6条 中小企業を営む者は、経営基盤の強化及び従業員の福利厚生のために、自主的努力を払い、流通の円滑化及び消費生活の安定確保に努めるとともに、地域の生活環境との調和に十分な配慮をするものとする。
(区民等の理解と協力)
第7条 区民及び中小企業の事業に関連ある者は、区内の中小企業の特性を理解し、その健全な発展に協力するよう努めるものとする。
(委任)
第8条 この条例の施行について必要な事項は、別に区長が定める。