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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

【53号巻頭言】明日への希望をつなぐ年に

2005年01月01日

株式会社エミヤ 代表取締役会長
北海道中小企業家同友会 代表理事 三神 純一

 

 昨年の9月8日、台風18号が北海道を直撃、50年に1度と言われる強風が、収穫前の農作物や果樹、ビニールハウスをなぎ倒し甚大な被害を与えました。社屋や工場に被害を受けた会員企業も少なくありません。


 そして、わずか1カ月半後の10月23日には、新潟中越地震が発生、新潟同友会の会員も50社ほど被害を受けました。


 同友会の仲間を励まし、支援するための募金を北海道同友会の会員に呼びかけたところ、短期間に、両方合せて1千万円に迫る募金が集りました。けっして恵まれた経営環境でないにもかかわらず、これだけの善意が寄せられたことに胸が熱くなりました。人と自然を大切にする、人間としての温かさと優しさを持った人間集団の真骨頂を見た思いです。改めて感謝申し上げます。


安心と安全こそ

 税財政の「三位一体改革」が地方自治体の財政難を促進し、定率減税の縮小、廃止によって個人消費がさらに冷え込む恐れもあります。北海道経済を支えているのは、北海道の豊かな自然に支えられた第一次産業と、個人消費や公共事業に多くを依存する中小企業です。


 財政問題を解決する鍵は、財政赤字がなぜ深刻になったのかを国民と中小企業の視点で見つめ、不用・不急の支出を見直すこと、そして活力あふれる中小企業と地域をつくることです。そのためには、安心と安全がキーワードになります。


 食料や雇用、子育てや老後、病気や自然災害への不安を取り除き、夢と希望が持てる政策への転換が求められます。今、同友会が進めている「中小企業憲章」や「中小企業振興条例」制定運動は、国民と中小企業、地域に活力を取り戻すことをめざす運動でもあります。

 

活力の源泉は人材にあり

 時代の変化は激しく、鋭い時代認識と洞察力が中小企業に欠かせません。そのためには、優れた人材を確保し、育てることが求められます。当社でも、同友会の共同求人活動や社員教育に参加し、共に学び育ち合う社風づくりに努力して参りました。昨年7月に開校した第48期同友会大学に当社からも受講し、その一人が、優等賞をいただきました。そして、「見識が広がることがこんなにも素晴らしく楽しいものなのかを改めて学びました」と語っています。彼が、企業の活力の源泉は広い視野で謙虚に学び続ける人材にあることを実践で示してくれたようでうれしく思いました。


 さらに広く、深く学びの輪を広げ、活力に満ちた希望あふれる1年にしたいものです。