産学連携さらに深め 道総研の田中理事長講演も HoPE総会
2019年06月15日
産学官連携研究会HoPEは5月8日、札幌市内で第19回定時総会を開催し、86人が参加しました。
第1部総会では、2019年度活動方針を承認。先進的なモノづくり、コトづくりを目指して産学官連携を更に深め、持続可能な地域社会の創造を目指します。新代表世話人に清水誓幸(北翔社長)、山本一枝(ウェザーコック専務)の両氏を選出しました。
第2部は「トヨタのものつくりの考え方」をテーマに、道立総合研究機構の田中義克理事長が講演しました。田中氏はトヨタ自動車常務やトヨタ自動車北海道社長を経て、昨年4月より現職。「モノづくりと経営・マネジメント」の42年間の経験を基に語りました。
はじめに「トヨタ生産方式(TPS)」の特徴として①生産工程のムダを排除し、品質を造り込み、リードタイムを短縮し改善を持続②結果として企業が社会貢献でき、存続し、雇用を維持する「経営のツール」―とした上で、ムダの排除による原価低減事例を分かりやすく解説。そしてTPSの基礎には①チームワークによる信頼関係②OJTや技能者育成を柱にした人材育成➂現場に判断を委ねる権限委譲が必要で「人間尊重」が基本であると紹介しました。
その上で「在庫が増えると資金が眠り、さらに悪い点は、品質不良や故障といった“異常”が見えなくなる」とし、豊田自働織機以来のモノづくりに息づく“異常管理”と、人の動きが価値を生む“自働化”の歴史を語りました。
懇親会では「自社にも“カイゼン”のヒントがたくさんあることにハッとさせられた」と感想が寄せられました。