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【新年度戦略】105年ぶりの新蔵/小林本店(札幌市) 卸販売業

2026年03月15日

          価値創造の源泉は「共創」にあり
          新領域へ踏み出す中小企業の挑戦


中小企業を取り巻く環境は、労働力不足に加え、原材料・エネルギー高騰によるコスト増大、価格転嫁の遅れなど、厳しさが増しています。こうした状況を乗り越えるためには、社員や地域の潜在力を掘り起こし、新たな「付加価値」を創り出す力が求められます。汗を流し、変化を恐れず新市場・新分野へ挑戦する6社の実践を紹介します。

世界に通じる酒づくりを目指す「八番蔵」


             
独自の強みで未来を切り拓く

小林米三郎社長


当社は1878年(明治11)年に道内の先駆けとなる酒造業を始め、石油関連・建材関連・外食へと事業を拡大。1月には105年ぶりとなる酒造「八番蔵」が栗山に完成しました。

 明治から操業する一番蔵~六番蔵での生産量は160キロリットルと最盛期の25分の1になり、過大な設備によって作業効率低下やエネルギーロスにつながっていました。縮小市場でも約9億円の設備投資を後押ししたのは、「酒づくりを続けたい」という息子の小林米秋取締役の強い思いでした。

 八番蔵には二つの特徴があります。まず部屋ごとの厳密な温度管理と、空気に触れずに瓶詰めできる一貫製造体制を実現したことです。「三季醸造」を可能にし、少量を毎日仕込むことで常にフレッシュな商品を提供できます。当面は生産量の1割を輸出することを目標に、国際的な酒類コンクールで受賞できるような味を追求します。

 さらに環境に負荷をかけない優しい酒づくりを目指し、GX化に取り組みました。屋上南面に太陽光パネルを設置し、電力を供給。BCP対策にもなる蓄電池は大阪・関西万博で使われた設備を再利用しました。酒造に使う月約1万2000キロワットの半分以上を賄います。

 歴史的建造物でもある旧蔵は、栗山の観光資源として活用し、酒造りの見学などができるように整備していきます。将来は北海道の酒造文化を伝える酒のテーマパークとして、近隣から栗山への交流人口が増えるきっかけになればと考えています。初蔵出しは、4月に開催するくりやま老舗まつりで振る舞うため、2月から仕込んでいます。楽しみにしている栗山町民に真っ先に味わってもらいたいです。