【新年度戦略】陸稲で根釧農業に新しい風/酪農業 永谷牧場(弟子屈町)
2026年03月15日


当社は弟子屈町の屈斜路湖流域で酪農を営み、2023年から新たにデントコーン畑に種もみを蒔く陸稲(りくとう)栽培に取り組んでいます。
冷涼な根釧地域はコメの栽培に適さないと言われてきましたが、夏場に気温が上がるこの地域であれば可能ではないかと考えました。初年度は何とか900キロ程度収穫できたものの、炊飯後に変色したりぬか臭さも出るなど課題が残りました。陸稲は水田に苗を植える水稲に比べ、栽培技術が確立途上なのです。
翌年からは牛の堆肥を用いた土壌改良や、管理方法の見直しなど、試行錯誤を重ねました。その結果、2025年には陸稲の道内収穫量が300トンにとどまる中、約14トンを収穫するまでになりました。品質も大きく向上し、検査機関からは「2等米に近い」と評価されています。
収穫したコメは、地元でカフェ「GaRone(ガロネ)」を経営する長女と共に立ち上げたブランド「RIZ DE YUNA(リ・ドゥ・ユナ)」として商品化しました。現在は町内の道の駅など2店舗で限定販売しており、飲食店のメニューにも加わりました。また、水稲米に比べ糖質量が低いことから関心も高まり、問い合わせが増えています。今秋の新米は同カフェでも提供できるよう準備を進めています。
この地域でも離農は深刻で、食料の自給や農地活用は大きな課題です。今後は陸稲の栽培技術を地域に広め、酪農と稲作を組み合わせた循環型農業の普及を目指します。さらに、災害時の備蓄米としての活用や陸稲による酒米づくりへの挑戦も視野に入れ、根釧農業に新しい風を吹かせていきます。
