気流
2026年01月15日
新年にお餅を食べる風習は、日本人が稲に特別な力を見いだしてきた歴史に根ざしています。平安期には宮中で鏡餅が供えられ、江戸時代に五穀豊穣と一年の無事を願う民間行事として広がりました。餅は「晴れの食」として、家族や地域のつながりを確かめる象徴だったのです。
その米にまつわる言葉が、昨年末に発表された流行語トップ10に並びました。政府備蓄米放出で注目された古古古米問題は、食の安定供給の脆弱さを改めて浮き彫りにしました。世界経済ではトランプ関税が貿易を揺さぶり、国内では温暖化で春と秋が短い二季化が進み、米づくりの前提が大きく変わりつつあります。
一方、農業の現場では可能性も芽生えています。古くから行われてきた水稲の再生二期作は、生産性向上策として再評価され、本州で実証が進んでいます。さらに道内では、水資源が限られる土地でも栽培できる陸稲が注目され、気候変動に適応した多様な取組みが広がりつつあります。生産を途切れさせない工夫は、地域の営みを未来へつなぐ重要な挑戦といえます。
激変する経営環境のもと迎えた2026年。困難な中にこそ新たな価値を生むチャンスが潜んでいます。理念を軸に同友会で強みを磨き、地域と共に歩み続けることで、未来を見据える中小企業の総合力が育まれます。稲作が幾多の環境変動を乗り越え受け継がれてきたように、私たちも変化を恐れず新しい一年を切り開いて参りましょう。
