気流

2025年10月15日

　就任当初は奇抜な采配や言動で注目を集めた北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督。2年連続で最下位だったチームは、昨年2位に浮上し、そして今季は優勝争いに加わるほどに。着実かつ大きくチームは成長してきました。

　その背景にあるのは、未来を見据え、固定観念にとらわれず、選手一人ひとりの可能性を最大限に引き出す柔軟な采配です。常に競争があり、ミスを恐れず挑戦できる前向きな空気が自然と生まれました。結果として、選手全員が力を発揮する〝活きたチーム〟へと育ちつつあります。

　この姿は、中小企業の組織づくりにも通じるものがあります。限られた人員や予算のなかで成果を上げるには、「今いる人」の力をどう引き出すかが最大の鍵です。

　年齢や経験で役割を決めつけず、挑戦できる場を意識的につくる。失敗を責めるのではなく、そこから学び成長できる環境を整える。誰かが欠けても周囲がフォローできる体制を築く。そして、成果だけでなく、その過程や努力にも光を当てる。そうした積み重ねが、人を育て、組織に確かな力を与えるのだと思います。

　「誰がやるか」よりも、「誰がやってもおかしくない」そんな組織こそが、変化に強く、常に前向きなチームになっていくのだと感じます。野球場で見られる組織の進化は、ビジネスの現場にも大きなヒントを与えてくれます。未来を見据えた挑戦こそが、組織を次のステージへ導くのです。