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【1世紀企業 88】 石垣電材(札幌市)

2025年09月15日

創業時の様子

             従業員を守り次の100年へ
              つなぐ力が未来を作る


松葉克哉社長

石垣電材は1923(大正12)年に創業し、長く北海道の発展と共に歩んできました。

 創業者の石垣開一氏は、新潟県から03(明治36)年に15歳で単身来道しました。そして、雑貨店だった中野商店で20年間奉公し、前身となる石垣開一商店を札幌市内に創業しました。当初は、官公庁関係の払い下げ品の処分や電話機の販売などを行っていましたが、成長を続ける鉄道、鉄鋼、炭鉱、製紙業に注目。電気やその関連商品の需要が拡大していくことを見越して、電気用品の販売へと事業をシフトさせていきました。そして「知恵のあるものは知恵を、ないものは汗を出せ、知恵も汗も出せぬものは去れ」を信条に、生きた知恵を大切にして社員と共に業容を拡大していきました。その精神は現在にも引き継がれています。

 53(昭和28)年、石垣開一氏の養子が2代目石垣開一を襲名し、株式会社として法人化後初代社長となりました。71(昭和46)年に商号を石垣電材と改め、同年に門川太郎氏が2代目社長に就任します。高度経済成長、札幌オリンピックの開催等で都市開発も進み、道内のランドマークをはじめとした数多くの建物・インフラの新築や修繕など、北海道の街づくりに携わってきました。76(昭和51)年には小林保弘氏が3代目に、関藤照之氏が4代目、そして堀江召浩氏が5代目に就任しました。(門川氏以降は松下電工・現パナソニックより出向)

 91(平成3)年には創業者の理念を引き継ぎ、地域に根ざした企業として新経営理念を制定。「優れたエレクトロニクス商品の販売とエンジニアリング・サービスで、あらゆる住空間の快適環境づくりの役立ちを通し、お客様に最大限の満足と誠意を贈り、常に業界の繁栄と地域社会発展の為に新たな価値づくりに貢献する」ことを新経営理念として位置付けました。

 しかしながら、バブル経済の崩壊で経営環境が一変。94(平成6)年に経営体質改善の局面の中、松下電工の連結決算に踏み切り、経営と従業員を守ることを決断、事業の立て直しを進めました。以降、現在まで創業者の理念とパナソニックのプライドと情熱を併せ持った電設資材卸会社として成長してきました。

 創業100周年を迎えた2023(令和5)年には、15代目社長増子孝行氏が「つなぐ力が未来を作る」という新たな理念を掲げました。これには得意先、仕入れ先と共存・共栄を図り、100年企業として長期的な視点で企業を継続させる決意が込められています。

 25(令和7)年に第16代目社長に就任した山口出身の現社長・松葉克哉氏は、新たなスローガンに「さらなる成長へ 新化と深化に挑み、真価を示す」を掲げました。従業員の雇用と生活を守り、従来の慣習や価値観にとらわれずに石垣電材の真の価値とは何か?を常に自問自答し、その真の価値への仮説~実践を持って企業の存続・発展を目指していきます。

 そして100周年を新たなスタートとして「つなぐ力が未来をつくる」と捉え、顧客やパートナー企業との絆をより一層深め、ワンチームで、〝NEXT100〟を展望しています。