気流
2019年02月15日
4月に「働き方改革関連法」が順次施行されます。労働力不足解消のため、安倍首相が政権の主要テーマに掲げる「働き方改革」。急速に進む少子高齢化と生産年齢人口の減少に伴う経済規模の縮小化や社会保障システムの維持が困難になる中で、政府は最重要法案と位置付けてきました。
この法律によって、時間外労働の上限規制と有給休暇取得の義務化、時間外労働割増率の中小企業への猶予廃止、さらには、非正規の不合理な待遇差を認めない「同一労働同一賃金」など、就業規則や処遇の整備が求められます。中小企業には猶予期間を設ける特例措置があるものの、対応に苦慮している企業も少なくありません。
同友会では、政府が「働き方改革」を推進する40年以上前から「労働者の生活を保障するとともに、高い志気のもとに、労働者の自発性が発揮される状態を企業内に確立する努力が決定的に重要」と、同友会自ら「労使見解」に基づき「人を生かす経営」の実践を推進してきました。また、昨年中同協経営労働委員会が試案を発表した「働く環境づくりのガイドライン」は、社員の働く環境について現状や課題などを把握し、より良い方向に改善していくため、経営指針成文化の副読本として活用を進めています。
なぜ働き方改革が必要なのか。社員が働きやすい環境とは何か。労働環境改善に向け、経営者と社員が共に向き合い、現状や課題を共有し、話し合うことが重要です。