【我が社の自慢 85】北見の菓子司 羽前屋(北見市)
2025年06月15日

想いを込めた一枚を作り出す
我が社の自慢は、看板商品の薄焼き和菓子煎餅「ハッカ松風」の製造に使用している銅板です。
1910年に創業した当社は、和菓子業界の閑散期である夏場にも売り出せる商品化が課題でした。そこで北見名産のハッカを使ったお菓子を作ろうと試作を重ね、70年代後半に製品化したのがハッカ松風でした。煎餅の食感の中に、ほのかなハッカの清涼感と香ばしいケシの実をまぶした風味が広がる和菓子です。
熱伝導に優れるこの銅板は、表面温度を均一に保ち、繊細な焼き加減を加えることが出来ます。一枚ずつ生地を伸ばし、約200度の高温で15分焼きあげると、パリッとした食感と均一な焼き色の煎餅ができあがります。
1枚の銅板で20枚の煎餅を製造でき、需要がピークだった頃は週2回製造していましたが、現在は月に1度、2000枚を製造しています。昨今は機械製造と手づくりの二極化が進み、職人の担い手不足も課題ですが、手焼きが醸し出す風味も欠かせません。
当社はこれからも北見の歴史、羽前屋の伝統、そして職人の技が融合して生みだす味を大切に、地域密着型の企業として、真心を込めたお菓子づくりに励んでまいります。
▽創業=1910年、会員=取締役・土井福生、事業内容=北見の特産品のハッカや玉ねぎなどを使用した和菓子と洋菓子の製造および販売、社員数=8名(パート含む) |