【新年度戦略】規格外品で地域経済を元気に/食品・カドウフーズ(函館市)
2025年03月15日

当社は、私が2010年に創業し、業務用の総菜、お土産のお菓子等を製造しています。本州の食品卸問屋や、地元観光地の売店、全国の百貨店、海外にも販路を開拓中です。会社設立のきっかけは、大量廃棄される規格外野菜を活用した函館の観光土産づくりです。道南地域の未来を考えると一次産業との共生は欠かせません。規格外野菜を買い取り、製造業者が加工し付加価値をつけ、販売者が域外に販売することで地域が潤うというビジネスモデルを構築したいと考えました。
仕入れた規格外のジャガイモやサツマイモ、カボチャは当社のレンガ倉庫で保存し、熟成させることで甘味が増します。土産品の冷凍大福「はこだて雪んこ」もここで誕生しました。近年では省エネ・ゼロカーボン社会への貢献として、デマンド装置の設置による節電、廃熱の暖房への活用、冬季には冷蔵保管施設で雪を活用するなど、製造段階でも脱炭素を意識していることが評価されています。
また、地元高校生や大学生に規格外野菜の製造現場を見学してもらい、SDGsに掲げられている食品ロスについて学ぶ機会や、規格外野菜を使ったスイーツの共同開発に取り組み、昨年は北海道の食育推進優良活動表彰も受賞しました。社内では、社員が食育事業を通して自社の経営理念を理解する機会になっています。
今後は、原料供給ができ、小ロットの委託加工も受けられる当社の強みを生かし、生産者と製造業者をつなぐ役割を担い、地域が元気になる仕組みを広げていきたいと考えています。