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気流

2025年01月15日

お屠蘇(とそ)を飲む文化は、平安時代に中国から伝わり、宮中で無病長寿を願う縁起物として正月に飲まれるようになったといわれています。

 2024年12月、日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されました。

 日本における酒造りの原型は500年以上前に確立され、杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)による麹を使ったもろみの発酵技術が伝承され、発展してきました。この技術は、土地の自然や気候と深く結びつきながら、長年にわたり脈々と受け継がれてきたものです。今回の無形文化財登録を機に、酒造りの技術を保護・継承しようという動きが国際的に広がり、国内でも幅広い層にお酒への興味や関心を促すきっかけになることが期待されています。

 同時に酒造りの現場では、伝統を重んじつつ、新たな挑戦をする若手醸造家の活躍が注目されています。一世紀以上の歴史を持つ釧路の酒蔵では、白麹を使った爽やかな酸味が特徴の日本酒や、全国でも珍しい道産の山田錦を酒米として用いるなど、伝統技法を活かしつつ次の100年を見据えた挑戦を続けています。

 激変の時代に、伝統を守りながら地域資源を有効活用し、新たな価値を創造する。まさに地域に根差す中小企業ならではの戦略と言えるのではないでしょうか。可能性を最大限に活かし、新たな一歩を踏み出す1年にして参りましょう。