気流
2018年10月15日
巨大地震によって大規模な土砂災害が発生し、36人の生命が奪われました。地震発生18分後には北海道全域が停電。道内各地で二次被害を誘発しました。
そうした中でも国民や地域と共に歩む中小企業の理念を体現するような光景が見られました。いち早くお店を開けて食料や水を販売した小売店、携帯電話の充電でバッテリーが上がる可能性を考えて会社に残り対応した整備工場、お湯が出ない人のために無料でシャンプーサービスを行った美容室。地元に密着しているからこそ、自身が困難を抱えていても、顔も名前も知らない誰かの助けになる、喜ぶ顔が見たいからと行動していました。
また、今回の災害はエネルギーに関して、改めて考える機会ともなりました。北海道では2001年に北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例を施行。同友会は14年「中小企業家エネルギー宣言」を提起し、学習と実践を進めてきました。道内では昨年、函館支部に道南エネルギーシフト研究会が発足しています。
日本経済新聞9月22日付社説は「長期的には大型発電所の電気を送電線で運ぶ現行の仕組みから、地域ごとに電気をつくり、その場で使う分散電源へ電力インフラを再構築する発想も大切」と書きました。
北海道は、太陽光や風力だけでも170万㌔㍗の発電能力を持つ再生エネルギーの宝庫。異常気象の要因となるCO2削減の課題と併せ、エネルギーの地消地産に目を向けたいものです。