【我が社の自慢 78】東畳工業（小樽市）

2024年08月15日

畳刺職鑑札と共に事業継続

　我が社の自慢は、畳刺職鑑札（たたみさししょくかんさつ）です。畳刺職鑑札とは、日本の伝統的な畳職人が持つ資格や認定証の一種で、大きさは縦7・5センチ×横4・5センチ。高い技術や信頼性を証明する木製のお札です。

　創業116年を迎える当社はリフォーム、内装工事まで手掛ける畳屋で、新潟出身の畳職人だった初代・東竹次郎が、この鑑札を小樽区役所（当時）から受領し「竹東商店」を設立したのが始まりです。

　かつての畳は、すべて手作業で作られていました。慣れない土地で技術を習得し、鑑札を取得する事は大変な苦労だったと想像できます。祖父や父が会社を継承した後、幾度か経営が厳しくなったこともありましたが、その度に思わぬ人に助けられたと聞いています。代々誠実に仕事を続けてきた証であり、その努力の上に今の私がいると感じています。

　鑑札制度は既に廃止されていますが、当社にとってこの鑑札には歴史的価値があり、私の机から一番よく見える壁面に写真を掛けています。これを見るたび、事業の継続こそ先人への恩返しと思い、地域に信頼される人づくりと会社経営を続けて行こうと新たな気持ちになります。