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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

気流

2024年07月15日

全道各地で熊による被害が相次いでいます。林道で走行していた軽トラックが襲われたり、牧場の牛舎内で飼育されていた子牛の死骸が発見されるなど、ほぼ毎日のように熊による被害のニュースを耳にします。

一方で駆除にあたるハンターも高齢化が進み、北海道猟友会に登録するハンターの数は、ピーク時に比べて約4分の1にまで減少しました。人手不足問題はどの業界にとっても深刻です。

今年の1月に「ともぐい」で第170回直木賞を受賞した河﨑秋子さん。別海町で生まれ、大学卒業後は酪農業を営む実家で、綿羊を飼育しながら執筆活動を続け、2019年からは専業作家として十勝管内に拠点を移し、数々の作品を世に送り出してきました。ともぐいは明治時代の道東を舞台に、熊撃ちの主人公が瀕死の重傷を負いながらも凶暴な熊に戦いを挑み退治する。そして山の中でひとり生きてきた主人公が、人間であることに疑問を抱き、やがて運命に翻弄されていく、人と獣の業と悲哀が描かれた作品です。

熊は非常に用心深く賢い動物であると言われています。共存していくには、電気柵の設置や草刈りなど周辺環境の整備のほか、熊の生態を知り双方の立場を理解することが必要であると感じます。中小企業においても、激動の時代を乗り越えるためには、社員のことを知り、お互いを理解し合うことから共学・共育・共生が始まるのではないでしょうか。