気流
2024年06月15日
今年から役員になった会員から組織運営について相談を受けました。議論が対立し板挟みになりかけている様子です。そこで同友会役員のテキスト『同友会運動の発展のために(中同協)』を開いてみました。
同書には「企業経営の中では、トップの即断即決が求められるケースが多いのですが、同友会の場合、重要な問題は意見交換の場を設定し、時間をかけて議論することが大切です(中略)同友会は多数決ではなく全員一致の原則で運営しています」とあります。
自分の意見に固執せず相手の意見を尊重し、境界線を取り払い一致点を探ること。納得と合意を大切にするその根底には「違いを認め合う」精神が息づいています。
労使の立場を認め合い、浮き彫りとなった課題を粘り強く探究することでより働きやすい職場になり、魅力ある商品やサービスが生み出され、どんな経営環境の変化にも耐えうる強靭な企業づくりにつながるはず。この関係性こそ重要です。
世界でも紛争や争いが続いています。対立する問題こそ、互いを思いやり、理解を深め丁寧に話し合うこと。それをあらゆる地域、組織で実践することが企業理念や同友会理念の実現につながるのではないでしょうか。
全員一致を目指す意義に大いに賛同された冒頭の会員と、目先の議論ではなく本質を考え、同友会の三つの目的を包含した「大きなめあて」を根幹に据えて様々な活動に取り組もうと誓い合いました。