経営者保証のない融資を加速 経産省・金融庁・財務省
2023年02月15日
改革プログラム策定
保証必要な場合、具体的説明求める
銀行融資に経営者が連帯保証の判をつく―。経営者の定めとされてきたそんな常識が大きく変わりつつあります。
2022年暮れに経済産業省・金融庁・財務省は①スタートアップ創業、②民間融資、③信用保証付融資、④中小企業のガバナンスの4分野を重点とする「経営者保証改革プログラム」を発表。経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた動きが一段と進むことが期待されます。
これまでも個人保証に過度に依存しない融資を進めるため、全国銀行協会と日本商工会議所が「経営者保証に関するガイドライン」を13年に策定。①法人と経営者が明確に区分・分離されている②法人の資産や収益力で返済が可能③適時適切に財務情報が開示されていることがポイントとして示されました。
また経営者保証が後継者確保のネックになっていることを踏まえ、国は「事業承継時の経営者保証解除に向けた総合的な対策」を19年に発動。新旧経営者から連帯保証の二重徴求することを原則禁止としました。
一連の取り組みもあって、新規融資に占める経営者保証に依存しない22年度上期の融資の割合は、北洋銀行が47・1%、北海道銀行が59・8%と、それぞれ前期と比べて着実に増加しています。
今回の3省庁による「改革プログラム」では、金融機関が経営者保証を求める場合は、「どの部分が十分でないため保証が必要になるのか」、「どのような改善を図れば保証契約の変更解除の可能性が高まるのか」を具体的に説明し、その結果を記録することを求めています。
これはかねてより守和彦前代表理事をはじめ、同友会が金融庁や北海道財務局に訴えてきた内容でもあり、個々の中小企業が経営体質強化を具体的に進めていく上で極めて重要です。