譲る側の覚悟と準備を／事業承継相談窓口「つなげる」

2022年10月15日

第3回親族承継支援セミナー

　8月17日、事業承継相談窓口「つなげる」の第3回親族承継支援セミナーが、48名の参加で開かれました。

　今回は、北海道フキ会長の一関脩氏（札幌支部）と、ふたば税理士法人代表の西俊輔氏（道北あさひかわ支部）が、事業承継の実践と税務上の留意点をそれぞれ報告しました。

　一関氏は「私は事業承継ではなく、事業継承と呼んでいる。引き継ぐべきは〝伝統と文化〟だ」と述べ、継がせる側としての、承継決定後の留意点を紹介。さらに「社員と家族が継承の重要性を共に確認し合うために〝経営継承授与式〟を実施すると共に、承継後の経営の透明性を確立するため、Ｂ／ＳとＰ／Ｌに特に留意してきた。後戻りが許されないからこそ、この点にとりわけ時間と慎重さが必要」と赤裸々に語りました。

　続いて西氏は、親族承継の税務上の留意点を詳しく解説。後継者の株が少なく、代表者以外が多くの株を保有したり多数の株主がいるなど、中小企業にありがちな株主構成や、利益剰余金や土地の多さなどの貸借対照表上の具体的な注意点を指摘。親族承継対策としての贈与や遺言、株価対策も紹介しました。

　「つなげる」では、11月から事業承継計画作成講座を開講します。詳しくは本部事務局細川・中上まで。

「つなげる」～事業承継を支援する相談窓口～