働くことの本質学び 社員教育を考え直す/人を生かす経営研究セミナー
2022年09月15日
人を生かす経営研究セミナーが7月11日、札幌市内で開催され、69名が参加しました。講師は花園大学教授の植田健男氏です。植田氏は「企業の育てる力」をテーマに教育の在り方を提起されました。
概要を紹介します。
「企業での教育と言えば、社員に仕事を進めるための知識や技能を習得してもらうことが、前提になりがちです。確かに若者たちは学校で知識を身につけてはいるけれども、実際には、働くということの本質をほとんど学べないままに卒業します。それでは、教育の基本とは何かと考えると『人間らしい人間に育てる』ということではないでしょうか。同友会の人間尊重という理念にも繋がります。
教育基本法は、教育の目的とは知識や技術を与えることではなく、『人格の完成をめざす』と言っています。私はそこから『一人の人間として自立をしていくことこそが、教育の目的である』と読みとるべきではないか、と考えます。この目的は学校だけの課題だけではなく、家庭や地域や企業、社会においても共通の目的だと思います。
会社の役に立ち、使えるかという視点での人材育成という捉え方ではなくて、これから先の数十年に渡って未来を担う社員の豊かな人生を想い、改めて社員教育を考え直しませんか?」と問い掛けました。
講演後のグループ討論では「世代交代で技術力の継承に力を入れてきましたが、限界を感じていました。社内で働く目的までしっかり掘り下げて学び合っていきます」と感想が寄せられました。