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【講演録】「人を生かす経営」で会社は変わる!/BeBlock 代表取締役 松村祐輔氏

2026年02月15日

◆後継者と創業者を経験

 祖父が1948年に創業した松村印刷の3代目として、私は2002年に入社しました。同時に販促支援を行うCRM(現在のBeBlock)を立ち上げ、創業者としての道も歩み始めました。筆耕屋から始まった松村印刷は、顧客の95%が官公庁で、軽オフセット印刷を主業としていました。しかし入社当時は売上が減少し、4期連続赤字。自社ビル建設に伴う多額の借入も抱え、経営理念や方針、数値目標もありませんでした。大学卒業後に5年間サラリーマンとして働いた私は、この現実を前に「あと何年持つのか」と不安でいっぱいでした。
 この危機を打開するには抜本的な事業変革しかないと考え、父に〝脱・印刷業〟を提案しました。当初は猛反対でしたが、04年に印刷業から販促支援業への転換を実現し、翌05年にはCRMと事業統合。10年にWeb通販を開始し、15年にはグッズ製造事業へと再び事業変革に挑戦しました。20年にはコロナ禍の直撃を受けましたが、逆風の中でライセンスビジネスを開始し、昨年から海外展開にも力を入れています。

◆同友会活動で何を学ぶ

 同友会活動を三層構造で捉えています。第一層は「土台の同友会活動」、第二層は「実践の同友会」、第三層は「応用の同友会活動」です。多くの場合、活動を頑張ろうとすると第二層に注力しがちですが、第一層が固まっていなければ土台が揺らぎ、早期退会にもつながりかねません。私は特に「労使見解」「人間尊重経営」「同友会理念」という土台部分に重点を置き、学びと実践を重ねてきました。

 2025年に「労使見解」は発表から50年を迎えました。労使見解は、①経営者の経営姿勢の確立、②経営指針の成文化と全社的実践の重要性、③社員を最も信頼できるパートナーと考え、高い次元での団結を目指して共に育ち合う教育(共に育つ)、④外部経営環境の改善にも労使が力を合わせる、という4つの原点から成り、企業づくりの土台であると考えています。

◆人を生かす経営の実践

 当社では、経営方針を「人・チーム」「商品・サービス」「お客様・協力会社」の三つに整理し、これを基に社員と共に5年ビジョンを策定しています。2022年に企業内大学「BeBlock Academia」を開校し、幹部や役員が講師を務め、全社員がオンラインで学べる環境を整えました。自由履修とすることで、自主性を尊重した学びの場としています。

◆社長の仕事とは

社長の重要な役割は、「社員」「顧客」「協力者」という3つの人の輪をバランスよく広げ、関係性を築くことです。社員を増やしながら顧客(仕事)を広げ、協力会社を増やす。この循環が企業成長には欠かせません。ただし、人材不足だからといって「誰でも良いから採用する」という姿勢では、未来は拓けません。経営理念に共感し、組織にフィットする人材こそ採用すべきだと考えています。
 私たちは、リーマン・ショックや東日本大震災、コロナ禍と幾度も厳しい環境変化を経験してきました。今後も不況は必ず訪れます。その時に社員へ「大丈夫だよ」と笑顔で伝えられるよう、強い会社をつくっていきましょう。(1月8日、新春講演会)

まつむら・ゆうすけ=1974年愛知県出身。愛知同友会副代表理事を務める。2002年にCRM(現在のBeBlock)を設立し、キャラクターグッズの商品企画・製作・販売を手掛ける。