気流
2025年06月15日
しんぶん北海道版は400号を迎えました。毎号が時代の風を映し出し、中小企業の声や道民の願いが詰まっており、まさに地域と共に歩む同友会運動の記録とも言えるでしょう。
創刊した1989年には、消費税が導入されました。創刊号は、導入直前に行われた緊急アンケートで89%の経営者が「凍結・廃止」を求め、その声が道議会や市議会の動きにつながったことを報じています。まさに道民の声が政策を動かしたのです。
以来36年。いま再び消費税問題が浮上しています。物価高に10%の税負担、価格転嫁の難しさ、地域経済への影響などどれも中小企業に直結しています。国会では減税や軽減税率の議論が交わされ、消費税減税や廃止を求める国民は73%にも上っています(共同通信)。
創刊号が訴えたのは「大地に足をつけた地域づくり」でした。どんな制度も、現場の実態が反映されなければ空回りします。そこに立つ私たちだからこそ、伝えられる言葉があります。2010年に閣議決定された中小企業憲章は「どんな問題も中小企業の立場で考える」と明記しました。この精神を今こそ実践する時です。地域の課題に耳を傾け、政策の受け手ではなくつくり手として、道民と共に暮らしを支え、仕組みを問い直す視点が求められています。
静観ではなく参画を。400号の節目を迎えたいま、私たちは何を伝えるのか。時代に流されず、時代をつくる中小企業でありたいと願います。