6割の企業が従業員不足に／共同求人委の採用意向調査

2025年03月15日

　　　　　　　　　　　　　　　268社を分析

　共同求人委員会は、会員企業（5605社）を対象とした採用意向調査を2025年1月6日に送付し同20日までに回答のあった268社について分析しました。

■さらに高まる不足感

　従業員の充足感は、充足している企業が23・5％（前年度比0・9ポイント減）、不足している企業が58・6％（0・9ポイント増）、どちらともいえないが17・9％（0・1ポイント増）となり、従業員の不足感が一層増してきています（図1）。

　建設業は「不足している」が69・7％（1・5ポイント減）と高い水準で横ばいとなり、製造業は57・8％（4・2ポイント増)、サービス業は52・2％（2・6ポイント増）とより深刻になっています。卸・小売業は52％（7・4ポイント減）とやや改善の傾向が見られます。

　

■大学・専門卒採用に力点

　24年度の採用は「採用した」が54・9％（4・3ポイント減)、「採用していない」が45・1％（4・3ポイント増）と苦戦。構成比をみると、大学・専門卒が0・7ポイント、高校卒が2・6ポイントと、いずれもやや増加し、逆に中途採用が3・4ポイント減となりました。大学等の新卒採用に力点が置かれる傾向が伺われます（図2）。

　
■新卒者の採用理由

　新卒者の採用理由については「社内の年齢構成を整えたい」35・4％、「会社の考え方を浸透させやすい」18・8％、「会社に新風を吹き込む」18％、「将来の幹部社員として期待」16％と続きます。「会社の考え方を浸透させやすい」は昨年の4位から2位にアップしています（表1）。

■インターンシップが採用のきっかけに

　新卒者の採用方法については、「学校に直接連絡を取る」が24・1％（0・6ポイント減）とトップになりました。「インターンシップ」が21・6％（0・9ポイント増）で、「就職情報会社の活用」19・2％（1・8ポイント減）を逆転して2位となりました。

　採用活動に関わる費用は、10万円未満が41　％（0・7ポイント増）と、50～100万円が14・6％、100万円以上の14・9％と合わせて29・5％（1ポイント減）となり、人手不足のもとでも費用を抑える傾向が伺えます。

　共同求人委員会は、今後とも求人誌の継続発行や大学、専門学校、高校等との連携強化を中心に長期的な視点で魅力ある企業づくり、人材確保の活動を進めていきます。