未来にツナグ想いを実現するための人材教育/LAUGHDINNING 取締役社長 松原 貴広 氏
2024年11月15日
◆アルバイトから正社員へ
大学1年生の時にお店を訪れた際、この店で働く人達と一緒に働きたいと思い、LAUGHDINNINGの創業店でアルバイトを始めました。その後、アルバイトをしながら高校教諭を目指し勉学に励んでいましたが、創業者から声を掛けられ、大学4年生の時にアルバイトながら本店の店長に就任。大学卒業後に正社員として入社しました。
◆魚を食べ海を感じる
飲食店12店舗のほか、鮮魚小売りも行っています。店まで足を運べないお客様のために、移動販売車でも販売しています。「自社内で一気通貫する水産のサプライチェーンを作る」ために、現場でどうしていくか。お客様に食べることを通して海を感じてもらうべく、SNSで情報を発信しながら、鮮魚福袋や走る魚屋、子ども向け魚屋体験などの事業に力を入れています。
◆なぜ「スケール」が必要なのか
海の「健全なイノベーション」はサステナブルやSDGsの社会性のみでは解決しません。今のスタートアップは「SDGs」「サステナブル」を意識しすぎてスケールメリットが感じられないものが多いと感じます。海の未来を開くためには「スケール」が必要なのです。
◆社員の役割・目標明確に
「遊ぶように仕事をする」。これは創業者大坪友樹氏の言葉です。海の「健全なイノベーション」は全く新しい側面からの創出でしか生まれません。そうして当社店長や社員、アルバイトの役割を明確にし、目標を徹底的に目指してもらい、将来を見据えて元気に働いてもらっています。働く人たちがかっこよく、輝いていないといけないのです。そして「ワクワク度」を大切にすること。遊びは一人ではつまらないので、より多くの仲間と一緒に遊ぶ方が楽しいと考えてきました。
◆地震とコロナ禍を力に
2018年、お店の片付けをしている時に北海道胆振東部地震が発生しました。揺れが収まると、全店舗の状況を確認し、その後、店舗にあった食材をかき集めて炊きだしをしました。これが「飲食人」にできることだと思い、2日間地域の方々に温かい食を届けました。振り返ると、これも我がチームのまとまりを強固にする出来事の1つだったと思います。
コロナ禍では、シハチ鮮魚店の小売りのみ継続し、飲食店はほぼ休業状態でした。そのため、出勤は1日あたり4―5名程度。それ以外の社員は在宅ワークを行う日々となりました。料理のことや経営のこと、それから漁業・水産業のことなどを勉強する時間に充て、給与と雇用は維持し続けました。
◆ワクワクする未来へ
飲食店からスタートし、たくさんのヒト・モノ・コトに触れてきました。未来の子ども達が憧れるような職業でありたいと考えています。飲食店でも水産業でも、かっこいい大人が子どもみたいにワクワクしながら仕事をする姿をどれだけ未来に残せるか。我が社が掲げる「一気通貫」もこれを目指す上での手段に過ぎません。一緒に未来に残せる仕事に取り組む仲間をたくさん増やしていきたいと思っています。(9月30日、札幌支部農業経営部会9月例会)
まつばら・たかひろ=1988年北見市生まれ。アルバイトスタッフとして入社し、大学4年時には同社初の学生店長に就いた。卒業後正社員となり、2020年10月に取締役社長に就任。 |