【我が社の自慢 79】メガネのサカキ（函館市）

2024年09月15日

熟練の技生かすローラー

　我が社の自慢は、長年使い続けている金属加工のローラーです。

　当社は時計店として1965年に創業し、まもなく宝飾の取り扱いを始めました。オーダーメードの宝飾品の製造に欠かせないのがローラーです。金属をはさんで延ばし、形を整えます。平らにできるほか、1ミリ程度の溝で棒状に加工することで指輪の素材になります。社長が使っていたものを次男である私が引き継ぎ、40年以上使用しています。

　近年は3Ｄプリンターやレーザー加工機により、繊細な加工もできるようになっています。ただ、手作業でしか表現できない温かみや深み、そして長年の熟練の技によって生み出される唯一無二の表情があり、顕微鏡を覗いて模様を彫る作業も行います。

　ローラーは、このように一人一人の思いを大切にする当社の商品に不可欠です。最近、ある施設の就任祝いで指輪を購入したお客様からは「ありがとう」と感謝の言葉をいただき、お客様の人生の節目に花を添えることができました。

　私はアメリカとイタリアで宝石の製造やデザインを学び、3年ほど前に宝飾ブランドを立ち上げました。これからも世界でたった一つのジュエリーを作り続けます。