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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

社員と共に育ち合う企業づくり ~全社一丸で新たな未来を創りだす~/株式会社ティーピーパック 代表取締役 北海道同友会 代表理事 池川 和人 氏

2024年08月15日

◆混乱を乗り越えて


我が社は1990年に共同経営の形で創業しました。2005年に社長に就任。同年にコンサルティング会社に依頼し、みんなの意見を聞き経営理念をつくろうと全社員面談を実施しました。当時4人で共同経営をしており、全社員面談の結果「御社には〝4つの会社〟がある。社員の行動が統合化されておらず、全社一丸は難しく、全体として成果を出しがたい組織になっている」と指摘を受けました。

 その後06年に同友会へ入会し、08年に経営指針研究会で勉強を始め、15年まで社員を巻きこみ、ほぼ毎年経営理念を改訂しました。12年からの係争も24年にすべて解決し、目下事業承継の真っ最中です。


◆経営者・幹部の覚悟

 中同協鋤柄修相談役幹事の印象的な言葉があります。「発展性のない会社に誰が来る(残る)かい」(2021年5月20日)。経営者・幹部の仕事は「会社が発展していることを実感させること」。そのためには学習型企業を目指し、みんなが納得する評価を目指すことが大事だと考えました。


◆人材育成の3本柱

 我が社は、経営指針(会社の未来像を社内に周知徹底)、求人活動(普段社員に語っている会社の未来を、原石予定者に語る)、社員共育(原石を磨き上げ、価値ある宝石にする)を人材育成の3本柱とし、同時進行することがベストだと思っています。また、全社員の6割が同友会大学を卒業し、価値観の共有に役立っています。


◆採用活動

 将来を託す原石を探す採用のため、同友会の共同求人活動に参加。会社の将来を決定付ける最重要イベントと位置付けてきました。内定を出して終わりではなく、入社するまでを採用活動と捉え、全社員を巻き込んでいます。特に仕事の意義、地域との関わり、社会への貢献に力点を置いています。


◆学習・評価

 学習型企業を目指し、社員それぞれが興味のある分野を学んでいます。その分野において、個性豊かなリーダーがたくさんいる会社になれば、間違いなく永続発展します。

 また、我が社の評価項目も、一般的な評価の他に、「社内外への情報発信」、「積極的な学習姿勢」、「会社行事への積極的参加・運営」、「会社将来に向けての貢献(採用活動等)」、「社会・地域活動への参加」などの評価基準を設けています。例えば採用チームメンバーの所属部署はバラバラですが、自分の時間を割きながら会社の将来を考えてくれることを評価しています。


◆仕事・そして

 学習の成果が仕事にも反映しています。経営理念に「ソリューションカンパニー(問題解決型企業)を目指す」としています。外部環境が激変する中、顧客の困りごとに応え全社一丸で新たな価値を創造し続けなければ、企業存続すら危ぶまれる時代だからです。

 本年度スローガンは「生きる・働く・学ぶことが実践できる会社にする」です。価値ある本物を仲間と分かち合い、働くことを通じて生き方を考え、経営指針をさらに磨き上げていきたいと思います。(6月27日第72期同友会大学公開講座)

 いけがわ・かずひと=1957年砂川市生まれ。90年同社設立。2005年より現職。21年より代表理事。同社は本社・札幌。商品企画、包装資材企画販売など。資本金9000万円、年商31億円(グループ41億円)、社員数32名(グループ41名)。