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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

気流

2024年05月15日

 日本三大夜景と言われる函館山からの夜景は、地域の財産です。津軽海峡と函館湾に挟まれた幅1㌔㍍ほどの市街地にまち明かりが集まり、そこから緩やかな弧を描きながら扇状に広がる海岸線が光で浮かびあがり、海とのコントラストが映えます。

 

 ところが、近年この夜景が暗くなったとの声が聞かれます。街灯のLED化や企業の移転もありますが、何より空き家の増加が原因です。特に函館山の麓の歴史ある西部地域の空き家率は、5.9%にもなります。高齢化と若者の転出にも歯止めがかからず毎年4000人も人口が減り、24万人を切ったことにも起因しています。

 

 若者の地元定着のため、市も奨学金返済支援事業を実施し対策を始めましたが、市の若者へのアンケート調査では約半数が「函館で働きたいと思わない」と答え、その理由として60%が「就職先の選択肢が少なそう」と答えています。本当に選択肢は無いのか?

 

 採用難のもと、中小企業の魅力発信は大きな課題です。函館で海洋土木を営む菅原組では社員とその家族を「菅原ファミリー」として大切にする経営で採用を進めています。故郷を元気にしていきたいと願う若者を増やすためにも自社の理念を伝え、同時に生きがい、働きがいをもてる企業づくりが欠かせません。

 

 中小企業には地域の若者を雇用し、一人前に育て、共に地域社会を支える役割があります。同友会が長年培ってきた社会教育運動の出番です。