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24年度新入社員意識調査 社会とのつながり求める、想い強く

2024年05月15日

収入確保し生活守る 自己成長も大切

 

 この調査は、北海道同友会が各地で今春開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、とかち、くしろ、道北あさひかわ、函館、オホーツク)の参加者を対象に実施しました。回答数は301件で昨年より266%減少しています。学歴別では昨年比で高校卒が6ポイント増、大卒が6ポイント減となり、全体として採用状況の厳しさが伺えます(図1)。

 

 

■会社選びの基準

 「会社を知ったきっかけ」は大学卒の半数は就職情報サイトと求人誌、高校卒の半数は求人票となり、合同企業説明会(web含む)や先生・先輩からのすすめは併せて3割弱となりました。

 

 「入社の決め手」(複数回答)は仕事の内容263%がトップで、二番目が職場の雰囲気253%の順となっています。三番目は大学・専門学校卒は経営理念で、高校卒は勤務時間、休日、休暇を重視する傾向が伺えます(図2)。

 

 

 ■働く目的

 「お金を得て趣味などを楽しむため」がトップで昨年より5ポイント増え、「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」(9ポイント減)「お金を得て、幸せな家庭を築くため」(6ポイント増)の順番となりました(図3)。

 

 

 昨年との比較で特徴的なのは専門学校卒が「創造的な仕事」(マイナス24ポイント)「お金を得て趣味など」(プラス14ポイント)「お金を得て幸せな家庭」(プラス16ポイント)等給与や生活面が大きくなっていることです。高校卒も傾向は同様で、奨学金問題や昨今のベースアップ報道の影響も伺えます(図4)。

 

 

 記入欄には「生きていくため」「自立するため」「社会の一員として仕事を通してつながっていたい」と切実な思いが書かれていました。

 

 

 ■自信があること(複数回答)

 自信があることは「協調性」「忍耐力」「責任感」の順で、欠けていることは「対人対応力」「体力」「積極性」の順となりました。大学卒は「社交性」専門学校卒は「体力」高校卒は「対人対応力」への不安が高い傾向があります(図5)。

 

 

 今、不安なことのトップは「仕事をうまくこなせるか」、二番目は「上司・先輩・同僚との人間関係」となり、「環境の変化に対応できるか」「私生活とのバランス」と続きます。

 

 

 ■関心のある社会問題(複数回答)

 「教育」がトップで、「地域問題」「人口問題」「社会福祉」「環境汚染・地球温暖化」が続きます。昨年トップだった「経済問題」は6番目、10番目だった「地域問題」は2番目に、14番目だった「防災」が7番目になったのも大きな変化です。社会人になり、いじめや引きこもり、地域の人口流出、介護や貧困問題、自然災害など社会的課題の重要性を敏感に感じ取っていることが伺えます(図6)。

 

 

 

 ■指導してほしいこと(複数回答)

 最も要望が多かったのは「仕事の基本や進め方」がどの学歴でもトップで、「専門知識」「マナーや社会常識」が続きます。高校卒は「コミュニケーション能力」を求める声が多くなりました。

 

 以上の結果、コロナ禍で社会の大きな変化に直面しながらも、社会とつながりたいとの想いを強くしている一方、収入を確保して生活を守り、仕事を通した自己成長や趣味を楽しむことを大切にする傾向が伺えます。