気流
2024年01月15日
1993年に札幌で開かれた中同協第25回総会宣言で「21世紀型中小企業づくり」が提唱されてから30年。新しい時代が求める企業像は、会員企業のゆるぎない指針となってきました。
①自社の存在意義を問いなおし、社会的使命感に燃え事業活動を行い、国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準で応える、②社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念を確立し、労使が共に育ちあい、高まりあいの意欲に燃え、活力に満ちた豊かな人間集団―。労使見解を深化させた北海道同友会の実践が息づいています。
戸沼岩崎建設(函館)の故戸沼平八会長は、この宣言に共感。経営方針に据え、社員一人ひとりが自立した社会人になることや、建設業を核とした新たな事業展開を経営方針に位置づけました。業界に先駆け環境問題に配慮した仕事づくりや、何よりも社内で多くの教育の機会を設け、社員の人間力を高めることを重視しました。
「宣言」は「金権腐敗政治からの脱却」と「平和で民主的な社会」の実現を呼び掛け、「すべての人が、人間らしく豊かに暮らせる環境であってこそ、中小企業の繁栄がある」ことも謳っています。まさに、今日の情勢を見通しているかのようです。
今こそ「宣言」を改めて読み深め、見せかけの繁栄に惑わされず、経営者も社員も共に情勢の本質を科学的に見抜く人間力を磨き、地域や顧客の潜在ニーズに全力で応える1年にして参りましょう。