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自社のデジタル化に立ち向かえ!~未来を創る企業に変革~/うるる 代表取締役社長 星 知也 氏(東京)

2023年11月17日

 近年、日本では少子高齢化が大きな社会問題となっています。生産年齢人口は今後40年間でおよそ50%も減少すると言われています。

 

 当社はそこをビジネスチャンスと捉え、労働力不足の解決をビジョンに掲げCGS(Crowd Generated Service)やBPO(Business Process Outsourcing)、クラウドソーシングを展開しており、主婦や高齢者、障がい者、外国人など新たな労働力の活用や雇用創出に繋がっています。

 

 ◆DXとは何か

 

 DXとは、「ICTを活用し、楽して儲け、組織の体質を変えること」です。

 

 カメラもフィルムからデジタルに変わり、画像を確認してプリントアウトできるようになりました。これにより、全て現像してから確認する手間と経費が削減できます。このように、情報やメモをストックできる状況がデジタイゼーションです。そして、デジタル化されたデータを利用し、作業の効率化や新しいサービスを創造するのがデジタライゼーションで、会計ソフトや顧客管理などがこれにあたります。これらを日常的に使いこなしていくのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

 

 ◆労働力不足の加速止まらず

 

 すでに話した通り、今後労働力不足はさらに危機的状況となり、とりわけ介護や保育、医療、建設などの現場では顕著になります。どうしても人の手が必要な業界でもありますが、デジタル化できる部分から進めることで社員の負担を軽減し、次の戦略を考えることもできます。

 

 端的に言うと、デジタル化を進めない企業ほど生産性が向上しにくく、利益を賃金に反映できません。そのためIT人材を含めた働き手が採用できず、デジタル化が進まないといった悪循環に陥ってしまいます。この悪循環をどこかで断ち切ることが必要です。

 

 デジタル化を進めるためには3つの方法があると考えます。1つ目はパソコンやインターネットなどICTの学びと理解を深めることです。まずは実際にデジタルツールを試してみると良いでしょう。

 

 2つ目がもっとも重要で、経営者が主導することです。担当者任せにせず、トップが旗を振り続けることがデジタル化の一歩に繋がるのです。

 

 そして最後は「強い思い」です。ここに来て根性論かと思われるかもしれませんが、楽をし(=負担を減らす)、儲け(=効率の良い時間やお金の使い方)、成長したい(=自社も社員も輝ける)という思いが必要です。

 

◆DXで企業の変革を

 

 単にデジタル化することがDXではないと理解頂けたでしょうか。無理に自社が求める以上のICTを導入する必要はありませんが、そのことで自社が機会損失をしていないか立ち止まって考えてみてください。きっと課題解決の選択肢が増えると思います。 自社のアナログな部分を洗い出し、会社の成長や労働力不足などの脅威に負けない企業づくりを考える上でもICTを利用し、よい会社づくりの一助にしていきましょう。(920日、苫小牧支部9月例会)

 

ほし・ともや=1976年、札幌市出身。2001年札幌市にて会社設立。03年に代表取締役に就任。「BPOデータ入力サービス」を開始し、06年にMBOにより前身の組織から独立。17年東証マザーズへ上場。