気流
2023年07月15日
次世代半導体の開発・製造を担うラピダスの千歳市進出が話題です。総投資額は5兆円に及び、関連企業の進出にも期待が寄せられています。国は3000億円以上補助し、半導体人材育成へ向け産学官による連携した組織の設置も進んでいます。
関連企業を含め数千人の雇用規模といわれ、道内の高等専門学校や大学では教育内容を見直す動きもあり、工場着工後の建設作業員は、最大数千人規模といいます。こうした動きは採用難・人材不足に直面している道内中小企業にどのような影響をもたらすのか。確かに北海道から高度人材を育成・輩出し、雇用の受け皿ができれば、道内で就職する学生が増え若年人口増に貢献する可能性もあります。一方で、多くの学生の就職先が一部大企業へ向かい、道内中小企業への就職機会減少と人材不足に拍車は掛からないのか。投資が集中する道央と他地域との格差拡大も気懸かりです。
2010年に閣議決定され「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役」と謳った中小企業憲章は、中小企業の魅力を「経営者と従業員が一体感を発揮し、一人ひとりの努力が目に見える形で成果に結びつき易い」と明記しています。
国は7月を「中小企業魅力発信月間」と定め、中小企業基本法施行日の7月20日は「中小企業の日」です。今こそ地域社会の期待に応え、社会的役割を十分に発揮し、働き甲斐のある魅力ある中小企業づくりを進めたいものです。