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23年度新入社員意識調査 仕事と職場の雰囲気が入社の決め手

2023年05月15日

仕事と職場の雰囲気が入社の決め手

生活守り趣味など自分らしい暮らしを

 

 この調査は、北海道同友会が今春各地で開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、とかち、くしろ、道北あさひかわ、函館、オホーツク)の参加者を対象に行いました。回答数は410件で昨年より27%増えています。学歴別の内訳は(図1)の通りです。

 

 

会社選びの基準

 「会社を知ったきっかけ」は大学卒の半数は就職情報サイト、高校卒の半数は求人票となり、合同企業説明会(Web含む)やインターンシップは併せても2割弱となりました。

 「入社の決め手」(複数回答)は仕事の内容27%、職場の雰囲気23%、経営理念16%の順となっています。学歴別では大学・専門学校卒は仕事の内容を重視し、高校卒は職場の雰囲気を重視する傾向が伺えます(図2)。

 

 

 

働く目的

 大学・高校卒のトップは「お金を得て趣味などを楽しむため」が初めて40%台となった一方、専門学校卒のトップは「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」が51%と、大きく分かれました。その他の欄には「生活するため」(高卒)、や「充実した人生を送るため」(大卒)という回答もありました(図3)。

 過去データとの比較では、「幸せな家庭を築くため」が後退していることから、結婚や家族に対する意識の変化も感じられます(図4)。

 

 

 

 

今、不安なこと(複数回答)

 不安に感じていることのトップは「仕事をうまくこなせるか」が34%で、特に高校卒と専門学校卒が37%と高くなっています。二番目は「上司・先輩・同僚との人間関係」20%となり、「私生活とのバランス」15%、「環境の変化に対応できるか」14%と続きます。

 自信のあることは、「協調性」「集中力」「忍耐力」「責任感」の順となり、欠けていることは「積極性」「対人対応力」「体力」「社交性」の順となりました。大学卒は「創造力」への不安が他に比べて高い傾向があります(図5)。

 

 

指導してほしいこと(複数回答)

 最も要望が多かったのは「仕事の基本や進め方」が41%とどの学歴でもトップとなりました。次いで「専門知識」22%、「マナーや社会常識」16%と続きます。高校卒は「コミュニケーション能力」を求める声が多くなりました。

 

 

関心のある社会問題(複数回答)

 「経済問題」「教育」がほぼ同数でトップとなり、「社会福祉」や「人口問題」が続きます。昨年多かった「平和な国際社会」と「感染症問題」は67番目となりました。

 ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原材料価格の高騰や物価高、賃金格差や貧困問題などの経済問題が背景にあります。進む少子化や減らないいじめ、ヤングケアラーなど介護や医療問題なども、教育や社会福祉への関心の高さにつながっています(図6)。

 

 

 

 以上の結果から、

①コロナ禍を経て就職情報サイト・求人票に依拠した就職活動が主流になったことや

②国内外の社会不安の中で生活を守り、趣味など自分らしい暮らしを楽しみ

③仕事を通して自己成長を目指したいという、新入社員の傾向が伺えます。

 

 

我が社の採用活動

トータルデザインサービス代表取締役 西田 高穂氏(札幌)

認知度アップに努力、学生限定映画試写会も

 

 当社は半導体や液晶、燃料電池用自動検査装置、産業機械、携帯や自動運転用LSIなど国内外の大手企業開発部門のパートナーとして先端技術の開発設計をする会社です。

 

 北海道には理工系大学、高専、技専、専門学校が多数ありながら、卒業した優秀な人材が道外へ流出してしまう事に疑問を感じ、北海道で開発設計専門の会社を1992年に立ち上げました。

 

 会社の将来を展望し中途採用から新卒採用にシフトしたところ、会社の課題が次々と明らかになりました。「社員が地元でより豊かに生活を楽しみつつクオリティの高い仕事ができる」よう、働き方の仕組みを構築しているところです。いよいよ2023年には、長期有給取得の向上のため屋久島サテライトを設置しました。

 

 当社の採用活動は、常に大手企業との競り合いです。毎年全道の工業系大学や高専・技専を訪問し、より多くの学生や先生への認知度アップに努めています。また、映画館、配給会社とタイアップして、学生限定映画試写会などを年に2回実施しています。

 

 このように年々厳しくなる採用と社員のより良い労働環境作りのために、試行錯誤を続ける毎日です。